車種をほとんど知らない
よく行く公園の途中には大きな洋品店やファーストフード店やホームセンターが並んでいる。駐車場は道路側にあって、車がこちらにおしりを向けて停まっている。
公園からの帰り道、子どもたちと手を繋いでぶらぶら歩いていて、昨日は日曜日で、ぎっしり駐車場に停まっている車のおしりをなんとなく眺めていた。
車のおしりには、必ず車種が書いてある。英語で書いてあるのを、頭の中で読んでいく。
アルファード、ボクシー、タント、フィット、ヴェルファイア
こういう、車種の名前は、英語をぱっと見ただけではわからないんだけど、読んで、ああ、これがアルファード聞いたことあるぞ、とか、はいはいタントは知ってますよ、とか、ヴェルファイアってやたらかっこいい名前だな、とか、わたしは車種をほとんど知らないから、聞いたことあるというだけでうれしくなる。
この駐車場に停まっている車を買うとき、買う人はその車を気に入って買ったのだろうから、買ったとき、気に入った車を買えてうれしかっただろうな。
道路をたくさんの車が、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。
角ばった古い型の車が通り過ぎ、助手席に座った女の人が、紙タバコを吸っていた。