頭が切れる男の子

　小学校１年生か２年生のときに、子ども向けの占いの本を読んでいて、誕生日で占ったのかその他のなにかで占ったのかそのへんはぜんぜん覚えていないんだけど、
「あなたは頭が切れる男の子と相性が良いでしょう」
　という結果が出て、ちょうどそのとき、近くの席でわりとよくしゃべっていた男の子が、おでこの真ん中をぱっくり切るケガをしていて、それでわたしは、
「たしかに、このあいだ頭を切った○○くんとは、しゃべるといつも楽しい感じがしていたな。占いってすごいな」
　とおもった。
　その、頭が切れていた男の子とは、小学１、２年生を最後に、小学校も中学校も１度も同じクラスにならなくて、同じ高校に進んだんだけど、１回もしゃべらなかった。

　熱がまだ下がらなくて、だけどじっとしているとよけいにだるく、だからといって外をうろうろ出歩くわけにもいかないので、レアチーズケーキを作った。
　下に敷く、ビスケットを砕いてバターを入れるやつを、ビスケットをレシピの分量より増やしたのにバターをだからもっと多く入れないといけなかった。ぽろぽろになってしまって、おもい描いていた出来じゃなかったので、固まったレアチーズ部分をのけて、ぽろぽろを寄せ集めてバターを入れ直して底に敷いてレアチーズ部分を戻した。食べた娘が、おいしい、お母さんお菓子屋さんになればいいのに、と言ってくれた。ありがたい。