不思議な話を集める人
怪談を話す怪談師の人たちは、SNSで怪談を募集している。
怪談を話す人には、霊感がある人もない人もいて、ない人でも不思議な体験をしたことがある人もいるけれど、自分の体験だけでは限りがあるので、常に新しい怪談が必要になるのだろう。
怖い話、不思議な話をいろいろ聞いていると、ごく一部でしか行われていない儀式とか信仰が、意外とあることを知った。
昔の人は、地域のそういう習わしを、歩いて自分で話を聞きに行くしかなかったけれど、今はSNSで募集することができるし、わたしは怪談師の人たちがそれを話してくれることによって、知ることができる。
だけど、SNSで募集されていることも知らない人で、不思議な話を体験した人もいて、その人は、そもそも自分の体験を不思議とも思っていなくて、誰にも話さない、話そうと思ったこともない、という人も、きっといて、その人の話は、わたしは知ることができない。