ワニは、何を考えているかわからない
暖かくなってきて、暑いぐらいだ。
布団の枚数が少なくなるので、いい。掃除が楽になるし、洗濯物はすぐに乾くし、暖かくなると、家事が楽になる。
暖かくなると、ワニのことを思い出す。
動物園や水族館は、小さい頃から何度も行っていて、ワニはいた。
ワニは、暖かい場所で、日向ぼっこをしていた。
動物が日向ぼっこをしているところというのは、猫でも、亀でも、いいのだろうなあ、気持ちいいのだろうなあ、と見ていて思う。
寒い冬の日に、カーテンの隙間に差した日の中に立つと、足の裏が暖かくて、こりゃあ、気持ちいいわけだ、と思う。
ワニは、何を考えているかわからない。猫や亀は、少しわかるような気がする。ワニは、じっとしていて、長くて、しっぽが太い。ワニは脚が四本ある。
ワニは、日向ぼっこをしているときでも、ただ、ワニとしてそこにいる。