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ほんとうのにせもの
ドラマを観ていて、演技ってすごいなーと思う。
怒ってないのに怒るとか、悲しくないのに泣くとか、自分ひとりで部屋にいるときだって難しいのに、周りにいっぱい人がいる中でそれをやるって、相当すごい。
ドラマを多分ここ十年ぐらいはぜんぜん観ていなくて、久しぶりに観始めた理由は自分でもわからない。突然観たくなって、観ながら泣いたりしている。
病院の話なんだけど、登場人物の何人かが、ぼそぼそ喋る。声を張っていなくて、セリフっぽくない。
ドラマや舞台用の、演技中の声の出し方は、それ特有のもので、日常より大きかったり、はっきり聞き取りやすかったり、噛まなかったりする。
それを、当たり前というか、ドラマや映画ってそういうものとして見てて、映画はたまにぼそぼそ喋るのもあるけど、よく考えたら、普通に生活していたらほとんどぼそぼそ喋る。元気にはきはき喋る人もいるけど、わたしはぼそぼそ喋るし、よく噛む。
演技のぼそぼそは、だけど、演技だからほんとうではない。にせもののほんとうではある。
普段のわたしも、にせものの可能性がある。こっちは、ほんとうのにせもの。