志賀直哉の帽子
福田恒存の評論を読んでいる。旧仮名遣いなので読みにくいが、読んでいくとだんだん慣れてきた。
近代日本文学は、プロレタリア文学や私小説が不幸自慢に陥ってしまっていると批判されるけど、志賀直哉は評価が高い。
志賀直哉は山手線にひかれたことがある。志賀直哉は家がお金持ちだったから不幸自慢にならなかったのかもしれないけど、電車にひかれたのは痛かっただろうな。
戦争に負けたあと、志賀直哉が被っていた帽子を、米兵がからかって取り上げている場面に遭遇し、小説の神様になんてことを! と憤っていたのって、誰だったっけ。