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【俳句12句】振り返らずに~夏目友人帳 漆 第三話「とおかんや」に寄せて

振り返らずに

泡立草さわさわ山へ黒き列
一列に夜霧を乱す足音よ
たましひの揺れて案山子の五指だらり
蔦かづら闇を封じし左腕
禁術の話まばらに昼の虫
友人をまつすぐ庇ふ秋の雲
秋ゆふべ心の裡の零れたる
上弦の月や勝負は突然に
また一体負けて案山子は星となり
明け方を振り返らずに案山子たち
鳥渡る朝へ願ひのほどけゆく
饅頭はしばしお預け稲架の道

夏目友人帳 漆 第三話「とおかんや」に寄せて
「とおかんや」は原作の中で現時点でベスト5に入る、お気に入りの一作。
初読からとても惹かれ、下記の俳句10句「かはたれ」として詠んでいた
(かはたれ=彼 (か) は誰 (たれ) 。明け方、人などがはっきり見わけのつかない時刻)。
映像作品は原作とはまた違った視点や言葉を私の中から引き出してくれた。
もう一度「とおかんや」の世界を俳句として詠む機会を得たことに感謝。

※俳句12句「振り返らずに」は、放映された物語からインスパイアされて作者(私)が詠んだものです。 映像より季節は「秋」と判断しました。
インスパイアに基づく俳句なので、必ずしも物語通りの映像でなかったり、物語に登場していない事物が登場することもあります。 ご了承くださいませ。 

お読みいただき、ありがとうございました。 「夏目友人帳 漆」第四話は、怖さと愛しさが混在の「頁の奥」。北本君てホントいいヤツだなあ、と思う作品。とても楽しみです😊 

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