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苦しいときの「ライブ盤」頼み
(敬称略)
どこかの誰か
「それってあなたの感想ですよね?」
わたし
「はい、そうです(きっぱり)。」
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オフコースとアリス。
どちらも
その絶頂期をとらえた
ライブ盤があります。
アリスは
なんだか知らないけど
山ほどあるし。
オフコースの「LIVE」は
「Three And Two」のすぐ後だから
人気絶頂はもう少し先なんだけど
バンドとしてはここが頂点だと
思います。
(個人的な意見ですよ。)
今回は
それらじゃなくて
キャリアの初期にリリースされた
ちょっと微妙なヤツのハナシです。
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まず
アリス。
3枚オリジナル・アルバムを出して
4枚目がライブ・アルバム。
そしてどういうわけか
5枚目もライブ・アルバム。
「セカンド・ライブ」というタイトルで
1974年のリリースですが
これは所属事務所の借金返済のために
年間300本超のコンサートをしていたという
まさにその頃の演奏です。
このアルバム
内容がどうのこうのいう前に
まずジャケットがおかしい。
レコードやCDを所有していないので
ネットで拾った写真でしか
見ていませんが。
コンガを前にした矢沢透はいいとして。
それの左右に
エレキ・ギターを抱えた
谷村新司と堀内孝雄。
谷村新司はレスポールで
堀内孝雄はSGです。
(このエレキ、きっと借り物だな。)
何やら
黒っぽい衣装は
皮ジャンでしょうか?
サブスクで聴いて
やっとわかりました。
キャロルの「ルイジアンナ」を
演ってるんです。
きっと
その際の衣装なんですね。
ほかの選曲も
何とも哀愁(?)を感じます。
まず
定番の洋楽カバー。
ビージーズ、サイモン&ガーファンクル、
ライチャス・ブラザーズ。
童謡。
そして
「噂の女」!!。
もちろん
クールファイブの曲です。
観客を退屈させないように
工夫していたんだと思いますが
この曲の歌唱を聴くと
その後
谷村新司と堀内孝雄が
ムード歌謡や演歌に傾いていくのも
当然(必然)のように感じます。
「ルイジアンナ」のエンディングで
矢沢透の長いドラム・ソロがあります。
これがちゃんと収録されているかと思えば
(LPのA面ラスト)「バイ・バイ・ラブ」は
曲の真ん中あたりで
フェイドアウトしてます。
長々としたMCは
当時のフォーク・グループの
「十八番(おはこ)」なので
「アリスのメッセージ」なんてタイトルまで
付いています。
※ミュージシャンがライブで
歌(演奏)の合間に
10分も喋るって
ほかの国でもあるんですかね?
楽曲の紹介とかじゃなくて
雑談というか
世間話というか
どうでもいいような
たわいもない内容ですが
ファン(と思しき観客)は
ものすごく喜んでるようです。
ネットの情報によると
この頃
すでに谷村新司はラジオの
パーソナリティを始めていて
グループ自体も
特大なヒット曲はないけれど
それなりの人気があったとのことです。
それだからでしょうか
次に書く
オフコースのライブのような
「物悲しさ」はありません。
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さて
オフコースです。
「秋ゆく街で/オフ・コース ライヴ・イン・コンサート」という
アルバムも1974年のリリース。
この頃
キャリア的には
「どん底」だったんですよね。
このライブ・アルバムがリリースされる経緯は
いろんなところに詳しくでてます。
(おそらく)
無料の「ご招待券」で
かき集められたであろう業界のヒトたちと
どれくらいいたのかわからない
「本当のファン(涙)」で
サンプラは(一応)満員。
大村憲司、村上秀一、羽田健太郎、
これ以上ない凄腕に
ストリングスまで揃えて
サウンドはバッチリ(なはず)。
それなのに
このアルバムには
言葉が適当かはわかりませんが
ある種の「悲壮感」が漂っているように
感じます。
オフコースの初期のライブ音源は
YouTubeでたくさん聴けます。
アコギとコーラスだけの
簡素なものでも
貧乏くさい感じはせず
いわゆる「フォーク・グループ」とは
別ものな「清涼感」があると思っていました。
普段
小規模な会場
数えるほどの観客の前
ステージの上はふたりきりみたいな状態で
演奏していたのでしょうから
いきなり大型のホールに1500人の観客
豪華なバック・バンドでは
よほどリハーサルをしっかりしなければ
自信をもって演奏することなど
難しかったのではないでしょうか。
小田和正は「練習時間が不足していた」と
振り返っているようですが
完璧主義者で名高いヒトの
偽らざる本心だと思います。
※ちなみに
リハのとき
小田和正がアンプに腰かけたとかで
当初のギタリスト松木恒秀が激怒して降りてしまい
大村憲司はそのトラだったとか。
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「開き直った」ような潔さがあるアリス。
嬉しかったのか
悔しかったのか
今ひとつわからない
小田和正の涙声。
その後
「天下を獲る」ふたつのバンドの
「どん底」を捉えているという意味で
どちらも貴重な音源には
違いないように思います。
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