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補助員を集めて時給2200円を支払い、代替大会への予算もつける意向を示したそうです

以下の2つの報道は、議論の余地が残されていないのか…という声を上げる教員もいるのでしょう。

7時間授業、土曜授業や長期休業の短縮で、「なんとか履修内容をクリアしましょう」という通知が出ています。そこで、人員を確保し、教員の負担を減らそうという形なのでしょう。

しかし、大学院生を含む教員免許をもつ方に「時給2200円」、持っていない大学生は「時給1600円」だそうです。しかも指導員補助を含めて8万人を見込んでいるそうです。

ということで、私がもし仮に大学院生であれば休学して、毎日、指導員として専念しようと思ってしまいました。

月曜日〜土曜日まで毎日、すべてのコマで指導員に取り組むことになると、1日約7時間ほど働くことになり、単純計算すると1日「2200×7=15400円」、1週間で「15400×6日=92400円」、1か月を28日(4週間)で換算すると「92400×4=369600円」となります。今年度中、働くとすると、所得税等もありますので、単純に10 か月分で計算することはできませんし、その金額よりも低い報酬となります。

一方で、公務員の給料表を見ると、4級59号給が369500円となっています。教員で考えると、この金額を給料で出されている若手から中堅と呼ばれる担任は、ほぼいないに等しいのではないでしょうか。

さらに、コマ数(時間数)に応じて報酬が出ることになる指導員とは違い、担任業は幅広く、部活動等の「定額ただ働かせ制度」により、ほぼ毎日のようにサービス残業(判例上、自発的業務とされています)をしている教員の時給は、最低賃金にも満たないと言われます。

このことから、この報道により、教員を辞めて指導員になる人、非常勤や再任用教員なども、指導員になった方が得だと考えて動く方が出ると考えられます。8万人を動員したのにも関わらず、教員不足は加速するということに繋がりかねません。

甲子園だけではなく、インターハイ、合唱や吹奏楽など、様々な大会が中止とされる中、代替地方大会に予算をつけるそうです。ただ働かせしている教員への予算(これまでの残業代や部活動指導手当など)は、今のところありません。

感染防止をうたって、中止になったものを、なぜか復活させるという謎理論が展開されています。

そんな中、福岡県の高野連は理由を挙げて地方大会も断念することを決意しています。単に「証を残す場を提供したい」という「気持ち」の面は理解できますが、「気持ち」だけで感染を防ぐことができるとでも考えているのでしょうか。

確かに部活動は指導要領上記載されています。しかしそのほとんどの大会では「教員」が「土曜、日曜」は「休日勤務手当」として、大体3000円を支給されることになります。しかし大会の運営、補助をしても一銭も出ません。先程の指導員の報道では「時給2200円」でしたね。明らかに教員を「ただ働かせ」させる対象としか考えていないようです。また、日々の残業代はでません。つまり、毎日の部活動に対しての対価は支払われていません。

代替大会は、基本的に構造は一緒と考えると、教員が再び「ただ働かせ」が行われます。未成年同士の感染率が低くても、多数の教員が集まり、勤務校に戻ることを考えると、感染拡大を防ぐ方法はありません。つまり、福岡県高野連が中止、断念した理由は、至極妥当だと言えます。

□考えないといけないこと

まず「ただ働かせ」によって、教育が成り立っているという幻想を捨ててしまうことです。結局は教員の意思になってしまいます。

まず、定時出社、定時退勤すること。保護者対応などがありますが、勤務時間を全面にサービス残業はなくしていきましょう。

現在、下校後や部活動指導後(つまりこの場合、サービス残業を課している形になります)に消毒や清掃を教員が行っています。教員に対する感染防止策は取られないまま、消毒や清掃を行っている状況です。本来、勤務時間中に行われるべきことです。また、7時間授業であれば、部活動のない小学校でも、サービス残業を課していることになります。

しかし、教委や校長会などの言い分としては「お願いしている」という返答になります。これは様々な判例や具体的な質問に対して回答している件をいくつも見ているので、今回に関しても「文科省の通知」を受けて、「お願い」しているといい、「サービス残業を実質課しているけれど、勤務時間外なら、感染した教員がいたら、責任は感染した教員にある」といえるのです。

だからこそ、サービス残業をしてまで消毒や清掃をしている場合でも「定時退勤」を勧めます。どう思われようと、そうしていいという権利があるのです。

次に部活動に関しても、土日指導なしにする形を取りましょう。生徒が望んでいるという幻想を捨てましょう。もちろん、望んでいる子もいれば、望んでいない子もいます。それが個人の考えというものです。一律で「部活動をする」と決めると、同調圧力でやらざるを得なかったり、生徒側も休めなくなります。まず、授業時間数を確保するなら、部活動を中止し、授業に変換してもいいわけです。

話題にしたような、代替大会にもエントリーしなくていいわけです。エントリーしなければ引率もなく、教員がただ働きすることもなくなります。

以上のことから、この2つの報道が正しいとするのであれば、現在の子どもたち、教員を「本当に考えた補償」にはなりません。

と、熱くなってしまいましたが、私は現在外野です。しかし、内部で何を言おうが咎められます。外野だからこそ、声をあげます。


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