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オタク文化はメインカルチャーになり得るのか
ゼミのディスカッションでサブカルチャーとメインカルチャーの関係性を問うた。
サブカルチャーは自身がメインになろうと活動することはあまり見られないが、メインカルチャーに取り上げられることがある。
オタク文化もその例に漏れない。今日は特にその傾向が強く、アニメと歌舞伎のコラボ作品や漫画の原画展などがある。また来る東京オリンピックの関連イベントでは2.5次元舞台の登場人物が参加予定である。
このように、日本社会はオタク文化をますます持ち上げようとしている。サブカルチャーとして生まれたオタク文化は、メインカルチャーに迎えられつつあるのだ。
ここで今のオタク文化にはないメインカルチャーになるための要素とは何であろうか。
筆者は「時間」と「保存」であると考える。
メインカルチャーは日本画など日本で代々継承されてきた文化が含まれている。長い目で日本文化を見ていくと、オタク文化も日本のメインカルチャーの一部と言えるのではないだろうか。
また、近年ではマンガ原画アーカイブセンターの構想などが展開されているが、オタク文化を文化遺産として収集・保存していることは少ない。
特に漫画原稿やアニメのセル画は劣化が激しい。早急な保存が必要なのである。
近い将来、オタク文化専門の学芸員が活躍する日が来るかもしれない。