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【読了】教室の荒れ・問題行動ガイド

吉田直之 著
明治図書

小学生向けの書籍でしたが、すごくすごくためになりました。

「荒れ」という言葉一つで、多くの人が教育現場の困難な状況を想像するでしょう。テレビやドラマでも「学級崩壊」や生徒が教師に反抗するシーンが描かれることがあります。

よく「学級崩壊」やヤンキーが教師に対して反抗的な態度をとっているものが、テレビなどでも取り上げられたり、ドラマのワンシーンになったりしていると思います。

この「荒れ」一つにとってもかなり奥深く、どれほど教育界にとって深い問題を含んでいるかと理解することができました。

世は令和。多様化されたこの時代ですから「荒れ」自体も「多様化」されています。
一昔前の時に教師は私はしていないので、なんとも言えないのですが、確実にこの時代の荒れている子が抱えている問題は多岐にわたると思います。

家庭環境も様々になったり、発達障害もひとつの要因にもなっています。

まず教員としては、この「荒れ」ひとつにとっても「生徒理解」の姿勢を持つこと。そして、威圧や権力で抑え込もうとする教室マルトリートメントをするのではなく、その児童生徒と向き合い適切な行動を増やしていくという視点をもつことが大切なのかなと思います。

また、この本を読んでの一番の感想は、「ダメな生徒なんて一人もいない」ということ。どんなに荒れていて、周りに迷惑をかけてしまったり、本書でいうと学級の荒れ具合をレベル4まで引き上げてしまうような子もひとりの人間であるということ。

そして、人間だからこそ「心」を持っているということ。だから生徒対応や荒れ対策は一筋縄ではいかず、教員側ももやもやすることもあるのだと思います。ですが、それは誰しもが「心」と「感情」を持っているから。それをしっかりと頭に入れてその子が抱えている問題に対して考えていきたいですね。

指導を行う際に決して忘れてほしくないことがあります。それは「どんな子もみんな成長したいと願っている」ということです。どの子もその願いがうまく伝えられずに、問題行動として表出させてしまっているだけなのです。「問題行動を起こすだめな子」と思いながら指導をしたら、その想いは必ずその子に伝わります。そうするとその子はますます傷を深めていくでしょう。

教室の荒れ・問題行動対応ガイド

どんな生徒も尊厳をもって対応すること。「成長したい」という生徒の声をどんな時でも聴きとること。その具体的な対応策を多く提示してくださりました。

冒頭でも書いたように、小学生児童対応向けの書籍でしたが、高校生とに対しても共通として考えるべき問題もあったので、非常にためになりました。児童生徒などの年齢を問わず、ひとりの「人」としての根本的な生徒対応の基礎を改めて学びなおすことができました。

生徒ひとりひとりの関係性を大切にし、子どもたち自身が成長していくような教育をこれからも考えていきたいと思います。

生徒の心を大切にする教育をやっていきましょう。

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