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未来への手がかり:静かに進む自動運転の検証実験

■気仙沼のBRTの実感

気仙沼の自動運転の認可が降りたというニュースをだいぶ前に聞いた。その後の動向を知る記事である。

○JR東、気仙沼線BRTでのレベル4自動運転を延期
2024年10月28日

延期理由は、各種試験や工事、手続の進捗状況によるもの。現時点で開始時期は未定で、決まり次第発表される予定。なお、気仙沼線BRTについては、引き続き一般道での手動運転バスとして運行され、現行の運行ダイヤにも変更はない。

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1634943.html

気仙沼には半年ほど前に訪れ、BRTに乗車した。廃線となった軌道と一般の道路をつなぐルートであり、地域の脚としても期待されたいたと思う。とはいえ、軌道にはトンネルもあり線路上ではないので運転技術に頼るところも多い。また見通しの悪いところで倒木があれば即座に対応できるのかという不安もあり、高速での自動運転にはハードルが高い気がしていた。

安全を無視できないので慎重にならざるを得ないだろう。

■あちこちで聞く自動運転の流れ

とはいえ、自動運転は期待される分野であり、行政の期待も高いのだろう。自動運転の実証実験のニュースを見る機会が多い。

○上士幌町、レベル4自動運転バスを全国初の一般公道で実証運行
2024/10/31

実験は町役場から認定こども園までの片道630メートルのルートを、最高時速12キロで走行する。運行日は週3回、乗車は予約制かつ無料だ。

自動運転レベル4は、特定の条件下で運転手が不要な完全自動化を実現する。今回の実証実験では遠隔監視体制を整え、乗客の安全を確保しながら運行する。

上士幌町では、2022年からドライバーが同乗するレベル2の自動運転バスを運行しており、住宅街や観光地を結ぶルートで実績を積んできた。今回のレベル4への移行により、地方公共交通の持続可能性が大きく向上すると期待されているという。

https://ledge.ai/articles/kamishihoro_level4_autonomous_bus_test

完全自動運転のレベル5は無理でも、そこに至る段階も、実情に合わせた選択肢が増えてくる予感や期待させる記事も見る。

○ゲームのコントローラーでバスを操作、自動運転車公開 福井県越前市街地で「レベル2」実証実験へ
2024年10月4日

福井県越前市街地で10月21~26日に実証実験として運行する自動運転バスが10月3日、越前市役所前で報道陣に公開された。ハンドル、アクセルやブレーキのペダルはなく、走行を制御するための衛星利用測位システム(GPS)アンテナとセンサーを車体外部に搭載。「レベル2」の実験では運転手を配置し、ゲーム機のコントローラーのような操作器で障害物回避などに対応する。

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2144965

■何を解決するのだろうか

自動運転の話題は2024年問題に端を発した運転手不足に対応する形で俎上に上がる。
また、いわゆる交通空白地帯の快勝への期待も語られる。しかし、人が乗るだけでなくものを運ぶ役割も併用することや、いろいろなトラフィックシステムとの連携を考えると別の側面も見えてくる。

基幹交通網は、飛行機、鉄道や大型トラックで賄い、中型物流、小型物流、マイクロトラフィックなどを組み合わせてハブアンドスポーク(中心拠点(ハブ)に貨物や情報などを集約させ、そこから各拠点(スポーク)に分散させる輸送方式やネットワークモデル)を成立させれば、交通弱者も空白地帯も解決できるかもしれない。

それは、ヒトの働き方で場所に縛られない選択肢を増やすことになる。
地方創生と口に出すだけでなく、こうしたアプローチも考えて欲しい。

2024/11/01

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