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60歳からの生き方:賃金の総額問題(報酬の奴隷になることで得られるもの)

■ICと言う生き方

ICについては、こうした働き方の団体があるので参考にして欲しい。
https://www.npo-ic.org/

ダニエルピンクの「フリーエージェント社会の到来」に端を発し、「雇わない生き方、雇われない生き方」という選択肢を持つ人々の団体である。

私自身は、必ずしも成功者ではないが、それでもほとんどの人は、成功の如何に関わらず、その生き方には満足しているだろう。

とはいえ、昨年「60歳からの生き方」というテーマで意見交換をすると、定年後の生活の不安を俎上に乗せるケースがあった。折しも、和田秀樹さんの書籍が本屋に平積みになったことと時を同じくする。

お金の問題をどう考えれば良いのだろうか?

■現実を理解する

生涯賃金という視点からたてば、正規社員と非正規社員あるいは契約社員との差は5000万円から1億円と言われている。バブル崩壊後に非正規化へ坂道を転げ落ちるように政策もこれを後押しし、小泉政権下の規制解除は企業にとって都合の良いものになった。

考えてみれば、労働力がそのままでひとり当たり一億円近い原資の削減ができる。その原資を自社株買いなどで株式市場に投入すれば株価は上昇する。株価が上がったからと言って給与が上がるわけではない。

今の経済状況は、企業が優遇され、働く人に目を向けないという政府の思考下にあることを理解した方が良い。

○NISA拡充で投資を促進…一方で格差是正はどうなった? 与党税制改正大綱が決まる
2022年12月16日

 今回の大綱でも、金融市場に与える影響に配慮して金融所得課税にはメスを入れず、総所得が30億円を超えるような超富裕層に絞って追加の税負担を求める案を採用。対象は200~300人程度にとどまり、いびつな逆転現象を解消するには迫力を欠いた形だ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/220399

したがって、人生の価値観に生涯賃金を優先にするならばICと言う生き方はふさわしくない。

■お金の奴隷

しかし、目の前の金銭の魅力に負けると何が待ち受けているのかのリスクも配慮すべきである。

○ビッグモーター「利益至上主義」 異動社員が不正広める
2023年07月22日

中古車販売大手ビッグモーター(東京)による保険金の不正請求問題で、元社員の男性が22日、千葉県野田市で報道陣の取材に応じた。男性はビッグモーターが「利益至上主義でブラック企業だった」と指摘。全国の拠点で不正が起きた背景について、「異動をきっかけに波紋のように広がった」と語り、不正の手口などが異動した社員によって伝えられたとの見方を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072200331&g=eco

会社から言われたので不正を働いていたといういいわけは、暴力団員が組織の指示通りに他者を傷つけるのと大差ない。尊敬という果実を放棄している。

■60歳になる前に

話題を、定年後の60歳以降に限定してはならない。なぜならば、60歳まで自我を放棄していたツケはすぐには支払えない。生涯賃金に目がくらみ、会社で働くことを選択したのであれば、「自由」や「自分らしさ」を追い求めて活動することを疎かにしていた証左である。

定年後は趣味に充実した時間を割いている、というのは聞こえが良いが、それは若いときの何かを犠牲にした結果であろう。それが自分の生き方としてふさわしいのかを、20代の頃から考えるべきである。

特に、お金の奴隷になることは避けた方が良い。大切なものを失うことが多い。
60年以上生きていると分かる。

<閑話休題>

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