世間に転がる意味不明:嘘くさい賃金アップの報道と実質賃金の低下(ビジネスマンは出張もするし、外で飲み食いもする)
世間に転がる意味不明:嘘くさい賃金アップの報道と実質賃金の低下(ビジネスマンは出張もするし、外で飲み食いもする)
■ビジネスホテルが凄いことになっている
先日、出張案件があり宿泊施設の手配をいつものネット経由で行なおうとした。久しぶりの出張になる。
おどろいた。
以前は8,000千円~10,000円だった。それが今回は12,000円~14,000円しかない。
経費なので依頼主に請求するが、それでもいい顔はしないだろう。私は個別に実費を経費として請求するが、企業によっては上限を規定で設けておき、それを超過する場合には自腹という所もある。以前は「役得」だったものが、突然「負担」になりかねない。
飲食などもバカに出来ない。
公式データではないが、牛丼やハンバーガーなどもここ一年で30円から50円ほど上がっている。元々の値段が300円から400円程度なので、上昇率は10%ぐらいだろうか。飲み屋での印象を言えば、従来は2,000円から3,000円程度ですんでいたものが4,000円から5,000円に跳ね上がっている。50%増しである。
■騒ぐほど賃上げが進んでいない
2024年の春闘での話題の一つが賃上げであり、デフレ脱却からの切り札のように報道される。しかし、その程度は目を見張るものでもないし、中小企業、それも組合のある企業であっても騒ぐほどではない。
○中小企業の賃上げ率3.62%↑ 一方で大企業の賃上げ率は下回る 日商の調査
日商が初めて公表した中小企業2000社近くへの賃上げ率についての調査によりますと、今年の春闘の結果、正社員の基本給は平均9662円引き上げられ、賃上げ率は3.62%となりました。
雇用の7割を占める中小企業でも賃上げが一定程度進んでいることが明らかになりましたが、経団連が発表した大企業の賃上げ率5.58%より2ポイント程度低くとどまっていて、賃上げの波が中小企業まで十分広がるかが、引き続き課題となっています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1212621?display=1
3.62%で9662円であると言うことは、その前が26.6万円程度であることが分かる。つまり平均値がそのぐらいと言うことである。中小企業は、その半分程度であろうから、せいぜい5千円がいいところだろう。
また、いくつかの企業にインタビューを下が「身の丈に合わない対応はしない」と言うことで従来通りの昇給にとどまっている企業が多い。
政府寄りの団体や,メディアはこの程度で賃上げと言うが、ビジネスマンの取り巻く環境から見れば実質賃金が下がっているというのは予想以上に深刻である。
■実感とあわない消費者物価指数
現在の政府、日銀は経済対策で言う「インフレターゲット論」をその根拠にしていると思われる。このインフレターゲット論は2000年頃に提唱されたもので、安定した「2%」もその延長線上にある。しかし、そうした経済理論で人々が動くわけでもなく、インフレなどを制御できるものでもない。
もっと困ったことに、政府が言う消費者物価指数は、その商品の使用頻度や生鮮食品などを含んでいない。安定した価格を維持している商品もあるのでマクロで見れば低くなる傾向がある。
○2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)4月分(2024年5月24日公表)
≪ポイント≫
(1) 総合指数は2020年を100として107.7
前年同月比は2.5%の上昇
(2) 生鮮食品を除く総合指数は107.1
前年同月比は2.2%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は106.5
前年同月比は2.4%の上昇
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
こうした数字が実感と合わないのは日常的に購入する食品関連の値段が急騰しているからだ。生鮮食品だけではない。たとべマヨネーズなどは実感としては50%増しだし、ソーセージやベーコンなどは値段は据え置きだとしても内容量がなにげに減っている。
■生活してみろ
こうした数字以上の値上げが続いている実体を、(財布をいじっていないで)人任せにしている日銀総裁や総理大臣の浮世離れした経済政策を行い、そしてマスコミもデータを基にした話をしない以上何かが改善するとも思えない。
辛いなぁ。
2024/06/14