見出し画像

世間に転がる意味不明:マインドコントロールは人ごとではない(不正を承知で実行した人々。ビッグモーターの従業員)

■マインドコントロール

マインドコントロールというと、宗教団体の悪事のような事例がわかりやすく紹介されますが、実際にはマインドコントロールとはこうした大規模な事件だけでなく、身の回りで起こりえる現象だといえる。

マインドコントロールを誘発させる要因はいくつもあり、「自分はこれだけ好意(給与)を与えたのだから、あなたも(会社への貢献で)返さなくてはならない」と仕向けてくる心理戦を起点として、

・特定の行動を過剰に称賛し、別の行動を徹底的に否定して、「こうしなければならない」と相手に思い込ませる
・ある思想だけを教え込み繰り返すことで、その人の頭が働かなくなって思考停止状態に持ち込む
・「もしも言うことが聞けないなら恐ろしい目に遭わせる」と恐怖を植えつける

などを行いマインドコントロールをすることがある。
下記の、街路樹伐採などもその結果だと考えた方が良い。

○ビッグモーター店舗前の街路樹 各地で枯れる 除草剤成分検出も
2023年7月27日

関東地方の「ビッグモーター」の店舗に勤務していた元社員の男性は、社内で月に1度、会社幹部が店を訪れて実施していた「環境整備点検」と呼ばれる点検で、店の敷地や周辺の清掃も評価項目の1つになり、社員のプレッシャーになっていたと明かした上で「店や店舗前の歩道のアスファルトの隙間から1センチの雑草でもはえているのが見つかったらアウトです。点検の前は雑草を抜いたり、ごみを拾ったりしますが、本当にピリピリして、終わるまで戦々恐々としていました」と話しました。

ビッグモーターの経営陣を含む会社幹部が店を直接訪れて行っているという「環境整備点検」の点検項目のリストには、「敷地回り、歩道はゴミや草、砂が無くお客様目線で整備できているか」などと書かれています。

また、会社がすべての社員に毎年配布していた「経営計画書」という冊子では職場の環境整備の方針が示され、「会社の周り10メートルは毎日清掃する」と書かれています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230727/k10014144121000.html

■「経営計画書」と「環境整備点検」

この言葉を聞いて、日本経営品質賞や小山昇氏の名前を思い起こす人は多少いると思う。
小山氏は株式会社武蔵野の社長であり、優れた経営者と言われている。かれを師事する経営者も多いと聴く。

「経営計画書」と「環境整備点検」などは日本経営品質賞の三種の神器のような存在で語れることもあり、その効能については下記の記事がその一端を紹介している。

○「掃除」で会社をダメにした社長、
「環境整備」で業界日本一になった社長
小山 昇:株式会社武蔵野 代表取締役社長
2014.9.17

日本で初めて「日本経営品質賞」を二度受賞、12年連続増収増益の株式会社武蔵野社長でありながら、指導500社中100社が過去最高益、13年連続倒産企業ゼロという“経営のカリスマ”の小山昇氏。『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 を発売直後の著者に、「掃除」と「環境整備」はどこがどう違うのかを聞いてみた。

https://diamond.jp/articles/-/58646

こうした「経営計画書」や「環境整備点検」はツールであり手段でしかない。これがいつの間にか目的になると、それらが本来目指している理念などが失われ、「凶器」となってしまうのは、手段だけを伝導する小山氏の責任であると思っている。伝聞でしかないが、かれは「自分の言うことを聞くことを強要する」コンサルタントであり、価値観は「売上」である。したがって、それを達成する手段の確実な実施こそ正義であると考えている節がある。

知床の観光船沈没の会社の指南をしていたことでも知られている。

ある種の「マインドコントロール」を小山氏自身が行なっていると私は思っている。

■考えない組織の結果

それは組織自体を狂わせてゆく。

○労働法を度外視したビッグモーターの「生殺与奪権」 労働弁護士が「経営計画書」を斬る
2023年07月24日

報道によると、経営計画書には、この会社の経営のエッセンスが表現されていると思われる「経営の原点12カ条」が示されています。高い売上目標を掲げ、サービス残業をいとわずに(4誰にも負けない努力をする、5売り上げを最大限に、経費は最小限に)完遂することが求められていることがわかります。

経営計画書では、業務を進めるにあたり、従業員には会社と社長の思想を理解し、受け入れることが求められ、受け入れられない場合には、いくら能力があろうとも、即刻辞職するよう明記されているようです。

経営方針の執行権限がある会社幹部には部下に対する「生殺与奪権」が与えられているとも明記されているようです。つまり、会社方針に従わないと幹部に判断されてしまうと、いつでも解雇されうるということを意味します。

他にも、会社行事の不参加者の人事評価は下げられ、結婚式のような人生の一大イベントでも、業務を最優先して予定を組まなければならなかったと報道されています。

このようなことからわかることは、とにかく会社の業績目標達成が絶対視され、その障害となるような労働法令の遵守は度外視されているということがうかがわれます。  

https://www.bengo4.com/c_5/n_16301/

■メンタルケアが必要である

こうした狂った組織は社員を切り捨てる。

○ビッグモーター社長が会見 「工場長が指示してやったんじゃないか」経営陣の関与を否定 厳しい人事降格は「敗者復活」
2023年7月25日

「組織的ということはないと思います。個々の工場長が、原因は工場長が指示してやったんじゃないか。そのあたりまだ、事実確認取れていませんけども。それでないと、こういうことは起きないと思っていますので」

「不合理な目標設定、それが目標じゃなくてノルマになって、元本部長が、ノルマを達成させるために強くプレッシャーをかけた、それが原因で今回の不正が起きたと考えられますので。組織的と思われても致し方ないですけども、決してそんなことはありません」

https://news.ntv.co.jp/category/society/0394e43f62b84a4cbcabeefc97578032

悪事に手を染め組織から見放された彼らに同情する気はないが、それでも放置しておくことは危険だろう。
何かしらのメンタル的なケアをして行いと、彼らは破綻しかねない。
統一教会の元信者へのケアと同じである。

ビッグモーターがその責を負うとは思えない。
できれば、国がサポートして欲しい。
費用?
そんなものはビッグモーターと損保会社に出させろ。

<閑話休題>

(その他の参考記事)

○会見から見えたビッグモーターの企業風土 識者「会社の体をなしていない」
2023/7/25

保険金不正請求が横行していた中古車販売大手ビッグモーター(東京)で長年トップに君臨し、一代で業界大手に成長させた創業者が25日、記者会見で辞意を表明した。同社では過剰な営業目標が課せられる一方、異常な降格人事が行われ、不正の内部告発も放置された。会見では組織ぐるみの関与を否定した兼重宏行社長(71)だが、企業統治(ガバナンス)の専門家は「経営陣が把握していないこと自体、内部統制ができていない証拠」と指弾する。

https://www.sankei.com/article/20230725-H3VTX4OALNIAXA34ZAEL2EKPWA/?utm_medium=app&utm_source=smartnews&utm_campaign=ios

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?