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世間に転がる意味不明:都合の悪い情報を隠す文化はなんとかならないのか(大阪万博ガス爆発事件と小林製薬の紅麹事件、そして)

世間に転がる意味不明:都合の悪い情報を隠す文化はなんとかならないのか(大阪万博ガス爆発事件と小林製薬の紅麹事件、そして)

■イエスマン

優れた経営者に贈る言葉の一つに「イエスマンを身の回りにおかない方が良い」というのがある。ある物語に「手鏡に話しかけるようなものだ。誰かに相談しているつもりでも誰も何も答えてくれない。背中がほつれていることも教えてくれない。」という言葉と伴に、王の発言に反対を唱える人がいない状態が続けば王国は滅ぶという寓話的な話だ。

強権的な経営者の周りは自然と「イエスマン」が集まってくる。彼らは、為政者に都合の悪い情報はあげない。成功しそうな状況だけを伝える。反対意は伝えない。賛成の意見しか伝えない。

それは、突然の敗戦を迎える羽目になる。

■情報伝達の支援は信頼を失う

「喉元過ぎるまで待っていたのか」と、企業姿勢が問われる。

○新たに76人死亡疑い 小林製薬「紅麹」サプリ―因果関係調査へ・厚労省
2024年06月28日

 厚生労働省は28日、小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントの摂取との関連が疑われる死者が新たに76人判明したと明らかにした。同社はこれまで、死者は5人と報告していたが、1人はサプリを服用していなかったことも判明。

死者数の被害情報を更新していなかった小林製薬に対し、厚労省が問い合わせた結果、疑い例が大幅に増えた。

 同省は同社に対し、遺族や医療機関への調査の進め方について計画を作成し、29日までに報告するよう指示した。

 武見敬三厚労相は28日、急きょ記者会見し、「小林製薬の判断により死亡者数の報告をしなかったことは極めて遺憾だ」と述べた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024062800787

こうした姿勢は企業の信頼を危うくする。
今後あるいは現在小林製薬が販売している機能性食品に何かしらの問題があっても死者が出るほどの取り返しのつかない状況になるまで情報を秘匿するかもしれないとなれば、うかつに手を出さないという消費者が一定程度発生し、業績に影響が出るかもしれない。

無責任な体制は不誠実な対応を生じかねない。

○事故直後に認識も報告せず 万博会場の爆発で新たな損傷判明 屋根へこみ10カ所、配管に変色
2024/05/22

3月28日、万博会場で建設中のトイレで溶接作業をしていたところ、火花が可燃性のガスに引火して爆発しました。
 けが人はいませんでしたが、当初は床が損傷したとされていました。
 万博協会は22日、床の損傷以外に屋根が10ヵ所へこみ、水を流すための配管2ヵ所が変色していたと発表しました。
 施工業者はいずれの損傷についても事故直後から認識していましたが、53日経った20日に報告があったということです。

https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_25745.html

○万博会場の爆発、新たな損傷10カ所以上を確認 JVが未報告と説明
2024年5月22日

2025年開催の大阪・関西万博の工事現場で3月に発生した爆発火災をめぐり、日本国際博覧会協会(万博協会)は22日、現場の屋根材のへこみなど、10カ所以上の新たな損傷が判明したと発表した。工事を担う施工業者からこれまで報告されておらず、今月20日になって報告があったと説明している。

 万博協会によると、事故直後には大阪市消防局が現場を調べ、JVも立ちあった。その時にJVの担当者は屋根材などの損傷も把握したが、JV内で情報が共有されず、結果的に万博協会にも報告が行われなかったという。

https://www.asahi.com/articles/ASS5Q2J82S5QOXIE031M.html

大阪万博の夢州は埋め立て地であり、産業廃棄物には化学物質なども含まれており、可燃性ガスだけでなく硫化水素などの有害物質も発生するしリスクがある。

事件が発覚した後で対策を取るという姿勢は、不誠実であり、またこうしたリスクを海外の関係者には伝えていないという報道を見るにつけ、日本人そのものへの信頼も損ないそうでいやである。

■事実の湾曲

トップが強権であり、それが自覚できないと自分の都合のよい情報だけを優先する。
その典型は、現在デジタル庁のトップである河野大臣であろう。

マイナ保険証が普及の兆しが見えないことは、補助金をつぎ込まなければならないことや、現場に「やれ」と強制するしかないことからも明らかであろう。

○マイナ保険証普及へ河野大臣「どんどん声かけを」 薬剤師ら1万人を「推進委員」に任命
2024年6月27日

「マイナ保険証は国民にとっての利便性が向上し、比率が上がると働く側も業務の効率化が進み、限られた医療資源がより効率的に活用できる。ドラッグストアは健康生活拠点として、これからもDXをどんどん活用し、国民の方のセルフケア、セルフメディケーションの役に立ちたい」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/336286

こうした自分に都合のよい声だけを便りにする政策は賛同することはできない。
保険証に関わる複雑さは、保険証を形式的に統一したからと言って解決されない。
負の側面を直視し、それへの対応の考え方を示せない姿勢はいずれ大きなトラブルを招く。

インボイスもそうだが、皆がしたがっているからといって賛同しているわけではない。
都合の悪い情報を無視した政策に未来があるとは思えない。

2024/06/29

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