世間に転がる意味不明:取り残される中小企業【4】信頼を失う突然の賃金アップ(去年の人生をかえしてくれ)
■2024年の賃金アップ
○新年度 多くの企業で入社式 初任給引き上げる企業も
2024年4月1日
新年度初日の1日、多くの企業で入社式が行われました。
このうち人材の確保に向け初任給を大幅に引き上げた日本製鉄の入社式では、およそ140人の新入社員が社会人としてのスタートを切りました。
会社は、アメリカの大手鉄鋼メーカーUSスチールの買収を発表するなど海外事業の強化を進めるほか、脱炭素化が業界共通の課題となっています。こうした中、人材の確保と強化が欠かせないとして新入社員の初任給を引き上げました。このうち大卒の総合職の初任給は月額で4万1000円引き上げ、26万5000円となっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240401/k10014409161000.html
2024年の春闘は驚異的な賃上げ競走の中で幕を閉じたかに見えた。しかし、その騒動はまだ余韻が残っているようだ。入社式でさらなる賃金アップを約束する企業も表われている。
○初任給、頭取が「4万5千円引き上げます」 入行式で突然の発表も
2024年4月1日
福岡市内であった福岡銀行の入行式。230人の新入行員に向かって、五島久頭取があいさつでこう切り出した。「皆さんの初任給は(全国転勤を伴う大卒の総合職で)21万5千円ですが、7月から4万5千円引き上げて26万円とします」。同行は既に初任給引き上げを発表していたが、「来春の新入行員から」としていた。思わぬ前倒しで、230人も賃上げの恩恵を受けることになる。
https://www.asahi.com/articles/ASS4130S2S41ULFA023M.html
こうしたことは社員のやる気を高めモチベーションナップにつながるという。
本当だろうか。
■2年目、3年目を迎える「私」
「私」は入社3年目になる。コロナが終息したばかりで会社にも余裕がなく就職戦線を切り抜けやっと就職できた。給与に不満など言えるはずもなく、それでも会社のために頑張ってきている。昨年入社した後輩もあまり変わらず、初任給も21万円程度である。会社には余裕がないのだと信じていた。
驚いた。
今年の初任給がいきなり4万円以上アップして26万円だという。我々の給与もその水準に合わせてアップする。ただし、中堅以上はそれほど上がらない。しかしいったいどこにそんな原資があったのだろう。昨年までは「賃金をあげたいが余裕がない」と言っていたはずである。
4万5千を一年間で換算するとボーナスが5ヶ月分だとして76万5千円である。
一時金として、昨年の新人には75万円、我々には150万円ほしい。もらえるはずのモノが「秘匿」されていたのだから。
たしかに今年入社の新人は「モチベーションアップやエンゲージメント」につながるかもしれない。だけど、こんな社員を馬鹿にしている会社に今まで頑張ってきた自分がバカみたいだ。会社に対するエンゲージメントなど消え失せた。
・・・これは単なる妄想かもしれない。しかしこれを無視するのは棄権だろう。
○「転職が当たり前」の新入社員 初任給、働きがい…企業は試行錯誤
2024/4/1
新年度を迎えた1日、多くの企業で入社式が開かれた。新入社員が真新しいスーツに身を包んで社長の話を聞くという従来型の企業がある一方、年齢の近い若手社員との懇談の場を設けた企業や職種別採用を強化した企業もある。「転職が当たり前」の時代となる中、初任給や福利厚生を充実させた企業もある。働きがいや会社への愛着などを意味する「エンゲージメント」を高めることで、新入社員を定着させようとする試行錯誤が続いている。
https://mainichi.jp/articles/20240401/k00/00m/020/247000c
賃上げだけに目を奪われている企業は気をつけた方が良い。
離職率がいきなり改善することはない。
むしろ安易に離職する人が増えるリスクがある。
いままでの社員を馬鹿にしないことだ。
(2024/04/03)