水車ダンマス編 エピローグ
10X EPボーイミーツガール
EP気が付くとシャオの膝の上に頭が乗っていた。巨人と死闘を繰り広げた巨大な広間で、回りには兵達が忙しく動き回っている。指示なんか出さなくても勝手にやるんだよな、空軍って。
「変な夢を見た」
体を起こすのが勿体なくてシャオの顔を見上げながらそう言った。
「どんな?」
鷲型に乗って勇者と空戦をした、そういったら、夢ではないのだとシャオは言う。
「レコードの中にいた」
中で勇者に触れ、半ば取り込まれながら戦っていたのだと言う。なにそれ怖い。負ければ完全に取り込まれ俺は消えていただろう。
「勇者は…勇者は消えたのか?」
頭(かぶり)を振るシャオ。
「既に半分神になっている、完全に消え去ることはない」
また、同じ様な事が起きるのではないか?
「どこかに歪な決節点が出来て勇者が取り込もうとすれば」
よく分からん。神樹は神を作ろうとしていたのではなく、勇者に干渉された決節点のリクエストに応えようとしていただけだったのだと、シャオは言った。
「理不尽なリクエストでも応えるのか?」
「今回神樹にとって、理不尽ではなかっただけ」
勇者が歪な決節点を足掛かりに神樹やレコードを乗っとる事もあり得た。
「規模的に不可能、もし可能でも神樹は気にしない」
そこで俺は肝心な事に気が付いた。
「シャオ」
「なに」
「なんで此処にいるんだ?」
「貴方が此処にいろと言った」
そっぽを向いたシャオの頬は赤らんでいた。
戦後の処理が一段落付いた九月に、俺達は結婚した。