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わたしの得意なこと
わたしの得意なことは、自他も認める口からの内視鏡検査である。
「何でできるんですか?」
「おえってしませんか?」
これらは、全くしたことが無い。
わたしはその類がきっと鈍感なのかもしれない。
34歳になる時に父の胃がんが転移して腎不全で亡くなった。
何だか怖くなってお葬式を終えた1か月後に全箇所のがん検診を自費で行った。胃がん検診、大腸がん検診、子宮がん検診、乳がん検診、肺がん検診。まだ若かった事もあって、父の担当の先生から「若いから大丈夫だと思うよ。」と言われたけど、無理やりお願いした。
その時が初めてのがん検診。喉に塗る麻酔のようなゼリーを喉に塗るように喉に溜めてしばらくすると後から吐き出す。
他にも肩に麻酔注射をしたかと思う。
わたしのコツとしては、スキューバダイビングで使用する口のキャップのようなもの(何ていうかわからない)を銜えた時、歯で思いきりひたすら嚙む。
それを胃カメラのモニターを横目で観ながらずっと行う。
1回、前の病院で鼻の方が楽だと言われ、試してみたけれど、
鼻の方が気持ちが意識しすぎて、息が苦しくなってしまった。
わたしは鼻が敏感なので、美容院でもタオルを掛けられると
偶に苦しくなってタオルを外してしまうのだ。
その時、先生に、ぜいはぁしながら「苦しいです~。」と、言うと「気道は開いてるから大丈夫ですよ。」と、言われたので、気持ちの問題だとわかったのだった。
それでも鼻はもう嫌だと思ったので、それ以来、どこの病院へ行っても「口でお願いします!」と言ってお願いしている。
今の病院の推奨は、鼻。
「口が出来ないならここでするのはやめます。」と言ったら、
口で行う事が出来た。
先生曰く、わたしは珍しいらしい。
「凄いですね!誰よりもスムーズに早く終わりましたよ!」
看護師さんからとても熱いお褒めの言葉を頂いた。
その後、先生からも
「凄いね~でも、高齢者になったら誤飲する場合があるから気を付けてね。」
普通の人は、チューブを入れた時、おえっと、自ら拒否反応をするらしい。わたしは全くそれがないので、変な所に食べ物が入る可能性があるそうだ。
もし、今後の自己紹介や試験での自己PRで、
「内視鏡検査が得意です!」
と、言ったら、相手の方はどう反応するだろうか。
いつかやってみたい。
空気を読んで大丈夫なところで。
内視鏡検査は隔年なので、今年は自腹じゃない限り実施出来ない。
非常に残念だ。
来年、この得意なことを発揮することにしよう。
得意じゃなくて、もしかすると特異なのかもしれぬ。