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【自己紹介】タンカーや貨物船の課題を解決したく、船員からフリーランスの道へ

海上で命をかける船員として7年半働き、現在、仕事と学びと嫁に命をかけるフリーランス6年目のなっちょです。
アナログでブラック企業が多い海運業界をなんとか改善したく、2016年からフリーランスになりました。
これまで海運会社様とWebやSNS関係でいくつか仕事をご一緒したり、情報交換したりさせていただいた中で、課題の根源や解決策について一定の答えは出たと思います。

国内貨物の約4割、国外貨物の約10割は海運業に頼っている

海運業とは船により石油や石炭、材木、食料、日用品などありとあらゆる物資を運搬する業界です。

船を建造し、船員を乗せて動かします。

どの港にあるコンテナや油を積んでいる船です。

50〜60メートルの船もあれば、300メートル以上の船もあります。縦にしたら東京タワーに匹敵するくらいの長さです。このような船が世界中いたる所を航行しているのです。

私はガソリンや灯油、軽油を5000KL運ぶ油タンカー、10mで10トン近くあるコンテナを100台以上積めるRORO船などを乗船してきました。

物流では日本国内で43.7%日本〜海外間で約99.6%海上輸送で賄われている
引用元:日本の海運

四方を海に囲まれる日本だからこそ、大量の物資を載せて物流を支える船員という存在は重要なのです。

海の人手不足はすでに末期になっている

船員を想像すると、大海原で仕事をする豪快な海の男というイメージがあります。
実際には違います(笑)
航海中はデッキ上なら朝から晩までペンキ塗りをしたり、エンジニアなら汗まみれ油まみれになりながら機器を整備したり、緻密な作業も多いのです。
港に入ると荷役作業(荷物の揚げ下ろし作業)に取り掛かるため、全員参加です。
長い荷役作業(国内で早くて2時間、長くて10時間)が終わり出港すれば、ワッチ(当直制の見張り)が始まります。
まさに3K労働(きつい・汚い・危険)です。

睡眠時間がほとんど無い日や、風呂に入れない日も当たり前にあります。

陸と海の橋となり、荷物の移動を可能にするランプウェイ(RORO船)

船員の出身も経歴もバラバラなため、人間関係で疲弊します。
管理職なら書類の多さや確認事項が多さに嫌気が差すこともあるでしょう。私も現場と管理職を経験し、人間関係にはもっとも苦心しました。
パワハラの極みにある上司、言うことを聞かないベテラン部下など。。

しかし、船や海が大好きな人旅行好きにはメリットばかりの職種ともいえます。
壮大な海を毎日見て、大好きな船に乗れるのですからマニアにはたまりません(笑)
そして船は機械の塊です。
構造への探求や問題解決に熱中できる人は向いています。

こんなキレイな景色を見れるのも船員の魅力

仕事の周期も、3カ月乗って1カ月休みのため、国内外の旅行が大好きな人には天職といえるでしょう。

入社3年目に行ったシンガポール。

しかし身体的にもつらく、精神的にも大変な職場だからこそ、早期退職が目立ちます。

長く求人募集を行っているにかかわらず、船員が確保できない。
黒字にかかわらず撤退を考えている企業がいるくらい深刻になっているのです。

重要な業種であるにもかかわらず、学校では教えてくれない

私は旅行が大好きで、25歳までに全都道府県を制覇しました。
宿泊する場はゲストハウス(旅人が集まる宿)で情報交換をし、町中にあるバーなどをハシゴし様々な人と話してきましたが、船員の認知度が圧倒的に低いことに驚きます。
海が近い街なのに、「そんな仕事があったんだ〜」と言われたこともありました。
認知度が低い理由は、幼いころに海とかかわる機会がなかったから、義務教育の中に入っていないことが挙げられます。
日本に欠かせないはずの「海運業」が全く認知されていないのです。

教育に疑問を抱きつつも、企業努力でできることもあるのでは?と強く感じるようになりました。

海はわかるが経営は初心者のため、社長のかばん持ちから始める

業界全体の課題を感じてから悶々と過ごす毎日でした。
海上で仕事に打ち込んでも、なにかスッキリとしません。
私は当時、医療機器の販売事業を経営していた母を頼り、様々な社長を紹介してもらい相談しました。
「参考になる!」と思った社長にはついていき、船の休暇中はかばん持ちをさせてもらいながら話を聞き、事業についての理解も進めていきました。

ただ言われたことは「君が船員を続ける限り、君が成し遂げたい業界の課題解決にコミットできない」です。

つまりは「自立した立ち位置から事にあたれ」です。

その力強い言葉を胸に響き、あらゆるケースを考えた末、海運会社に退職届を出し、フリーランスに飛び込みました。
結局はなにもアテがなかったのですが「どうせなら若い内にやりたいことをやっておこう!」と思い、数ヶ月間、派遣社員をやったり、ブロックチェーンの企画開発にかかわったり、Web制作にかかわったりしました。

陸上で様々なことが起こりましたが、ここ1.2年でようやく海関係に標準を絞れてきたのかなと感じます。

海への理解のため仕事の傍ら、海に全くの造詣がない友人を船に乗せて、海の素晴らしさと重要性を知ってもらうイベントもやっています。

葉山で船を借りて釣りを楽しみました

海の案件といってもまだまだ少なく、規模も小さいですが、今のクライアントさんを大切にし、新しいことにドンドン挑戦を続けたいと思います。

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