サマータイム、ナイトフォール
夕暮れが遅い。19時すぎても明るい。
車を降りた妻が「見て、きれいな夕陽。」とつぶやく。空の色が刻々と暮れなずんでいく様子を眺める。
ふと、美しかったベルリンの夜を思い出す。
いつまで経っても楽しい時間が続くような、ずっと創作活動に充てられるような高揚感が連日続いている。1日が長い、というだけで、生活リズムに与える影響は大きい。ずっと高感度を維持している気分。夏至前後は毎日がみずみずしい。
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数日して、わずかに違和感が出はじめる。毎朝の早すぎる早起きがたたったのか、従来のリズムにないペースで活動したからか。
あとから来る旅の疲れか、対人疲労か、寝汗をかくようになってきた。「イヤな予感がするな、、」と思い始めてから2,3日もすると、梅雨の雨のもたらす気象病もあいまって、半日寝込んだ。何日かして、今度は嘔吐して寝込んだ。
やはり夏至前後の日々のクリアな視界は、元気の前借りにすぎなかった。
プラマイゼロ。齢を重ねることでの身体変化も確実に実感する。天気の変化とおのれの変化と、マクロにもミクロにも影響しあって干渉しあって、波のような日常の生活を送りあう。
<了>