7/3(土)カミナリ10周年単独ライブ
7月3日(土)、お笑いコンビ・カミナリによる「結成10周年記念 カミナリ単独ライブ 発電所」に足を運んだ。会場は東京の草月ホール(赤坂)。
この日は同日2公演(午後の部・夕方の部)で、いずれもラッパーのZORNとDJ TATSUKIがゲストライブを行う旨がアナウンスされていた。筆者のお目当ては正直このライブで、夕方の公演に赴いた。
ライブでお笑いを見るのは久しぶりで、しかも単独ライブは多分初めて。演出やネタ順など舞台構成に、個性を出せるわけだ。どんな時間になるのか?弥が上にも期待が高まる。
いよいよ定刻。場内には注意事項のアナウンス。どうやら若い女性の声だが、これが噛み噛みでメチャクチャ面白い。爆笑必至。あとからまなぶ(カミナリのボケ担当)の妻と判り、さらに爆笑。
オープニングのSEは、BUDDHA BRANDの「人間発電所」の元ネタとなったこの曲。
HIPHOP好きで知られるカミナリ、今回の単独ライブのタイトル「発電所」も、これはBUDDHA BRANDの名盤「人間発電所」のサンプリングであろう。それにかけた曲から幕を開ける、なんともHIPHOP愛が伝わってくるオープニング。
コント「まなぶの部屋」から始まり、今回のキービジュアル(下画像参照)にちなんだムービーを上映。
工場地帯でトイレットペーパーがたなびき、便座に腰掛けて遠くを見つめる、この謎のビジュアルがネタだったことが明かされた。
中盤には、企画VTR「まなぶのGUCCI全部売る!」を前・後半に分けて上映。こうした構成が自在にできるのが単独ライブの妙味だ。自分たちの見せ味を存分に見せつけることができる。コント、漫才、VTR、ライブ、、持ち時間がたっぷりあると、幅広く表現できるものなんだなと得心。笑いに杓子定規の型なんざ無い。客を沸かせたら勝ち。自分たちの表現方法こそが型だ。やってやれ。
終盤、下りていた緞帳(幕)が再び上がると、おまちかねZORN&DJ TATSUKIによるゲストライブ。
「よろしくお願いします、ラッパーのZORNと申します」
と歌いだしたのは「Walk This Way」。
「今年の1月に(カミナリの2人が)武道館に来てくれて。当日の3日前に急にオファーさせて貰ったのにも関わらず、よっぽど仕事が無かったのか(笑)逆に今日、声かけて貰って、僕忙しかったんですけど(笑)」
と軽妙なノリで客席を沸かす。この冗談が通じ合う関係なんだと伝わってきてほのぼのする。
「たくみ君がM-1の予選に向かう時に、聴いて自分を奮い立たせてたって言ってくれている曲があるので、聴いてください」
と続けてLife goes on。
3曲目には代表曲のMy Life。歌詞を今日にあわせてアレンジしながら(行き先はステージの上→行き先は赤坂のステージ、などなど)惜しみなく披露。計3曲約10分間、肩慣らし程度のラフさで、会場を盛り上げる。長袖を着用していたのは多分TPOに合わせてだろう。
「ラッパーと漫才師、芸人さんで、やってる事ぜんぜん違うように見えて、じつは、コレ(マイクをコンコン!と叩く)1本でのし上がるっていう点においては全く一緒なんで。」
と檄を飛ばすや、会場は拍手喝采。そのテンションでバトンをカミナリに戻す。盛り上げどころを解ってるし、ゲストライブとしての仕事をしっかり務めて主役に戻す、役割をわきまえてる。上手い。
そのテンションを引き継いで、最後に漫才1本。全体で約1時間45分。エンディングにもオープニングと同じ曲をしっとり。コント「事実屋」は腹抱えて笑ったし、長尺でどう魅せるのか、その演出や構成を学ぶこともできた、良い時間だった。
<了>
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