銭湯巡礼記⑤~川崎市多摩区「宿河原浴場」(23年4月)
年に1回、花見の時期の定番となった「宿河原浴場」を訪問。銭湯からすぐが二ヶ領用水沿いの桜並木で、地元民が愛する絶好の花見スポットなのだ。しかし今年は桜が早かったからか、訪れた夜にはすでに葉桜になっていた。
「宿河原浴場」はJR南武線の宿河原駅から徒歩30秒という超好立地ながら、駐車場がバッチリ完備されていて、駅の開発以前に開業していたのだなと拝察できる。駅前周辺には私が子供のころには何軒もの小さな本屋があって、そこで大人の階段を登ろうとドキドキした経験が懐かしい。
年に1度しか来ないが、「来ればここにある」という安心感は心強い。近辺にはいくつかの銭湯があったが、ここ20年で軒並み廃業してしまった。
若い男性がぞくぞくと入ってくるし、番台のおばちゃんと馴染みの客が入れ替わり談笑している。住民の転入や転出がそれなりにあるだろうが、一見さんも古参もほどよいバランスで、気兼ねなく湯につかることができる。以前からここの湯船は熱い、という印象を持っていたが、この日はちょうどよい湯加減だった。
待合室には中村憲剛(川崎フロンターレひとすじ18年の元プロサッカー選手) のサインが。どうか末永く続いてほしい地元の銭湯である。
満足度:★★★★☆
<了>