銭湯巡礼記13~東京都世田谷区「月見湯温泉」(24年9月)
若いパパがケータイ見ながら待ってるところに自転車でママと子供が「おまたせー」と登場、こどもが「おんせんー」と降り、「そうだねー」と駐輪して入っていく、ここ東京都世田谷区の「月見湯温泉」。
前回の訪問が何年前かも思い出せないけれど、ずっと、ここにある有難さ。
館内は、犯罪とは無縁そうな人懐っこいおっちゃんたちの社交場。どうも~と声をかけあっている。
「明日法事なんだよ」「そりゃ大変だ」
「オイAさん、番頭さん花がねぇから帰ろう」
すると下駄箱で妙齢の女性と鉢合わせに。
「おっA、着いて行っちゃだめだよ、女性とみるとすぐ着いて行っちゃうんだから」
それを笑って交わす女性。
おぉぉこの雰囲気。Tokyoとは異なる、人情下町長屋の生きた下町だぁ。
やっぱり東京は人が多いんだな。夕暮れ時、商店街から駅へ抜ける一本道は行き交う人で溢れてる。
「クリスマスはやくきてほしい」「どうしてー?」と親子連れが取り留めのない会話。
町の自転車屋にもぞくぞくと修理の依頼が滑り込んできて、それを熟練工がチャキチャキさばいている。自転車人口が多いから重宝されてるんだな。
駅前では「おかえり〜」「ただいま〜」と手を振る笑顔、踏切を急いて渡る野球帰りの子供たちが、バイバーイ向こう側でバイバーイと声かけ別れる。
平和な日常、すべてがすばらしい。
行きてこそ。シャバにいてこその風景。また行きたいなぁ。
満足度:★★★★☆
<了>