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松田教授の名言

 こんにちは。元中小企業弁理士のnabです。今回は、三浦しをんさんの小説「愛なき世界」の登場人物「松田」の名言をご紹介したいと思います。

 今回紹介の小説「愛なき世界」は、植物を専門とする大学研究室内の物語です。物語には、大学研究室の教授松田という登場人物が出てきます。いつも黒いネクタイと黒いスーツ。ぶっきらぼうな面構えだけど、実験に対する思考は極めて的確。でも、言葉少なで整理整頓が苦手。その風貌や言動から、周りから「殺し屋」と呼ばれることも。

 また、本村という女性は、大学でシロイヌナズナの研究に没頭する大学院生です。植物栽培のセンスは未熟だけれど、几帳面で根気強い性格。近所の飲食店に務める料理人の藤丸から、愛の告白を2度受けるも、植物研究に没頭したいとの理由から、断ってしまうという大変律儀な性格です。

 シロイヌナズナの研究を続ける本村に、事件が起こります。本村は、4つの遺伝子を掛け合わせたシロイヌナズナ四重変異体の栽培に着手します。栽培を始め、期待通りの結果が出始めたことに喜ぶ本村。実験成功の期待が高まります。しかし、後に本村は、掛け合わせた4つの遺伝子の1つを取り違えるという初歩的なミスを侵していたことに気付きます。このまま、遺伝子を取り違えた状態でシロイヌナズナの栽培を続けるか、もう一度、最初から実験をやり直すか。やり直せば、時間はかかるけど、実験が上手くいく可能性は高まり、その結果を論文で発表すれば、博士課程の学位取得が見えてきます。しかし、本村は、このまま実験を続行するという選択をします。自分がときめいた実験の経過をもっと観察したいという、彼女自身の研究者としての本能に賭けた決断でした。

 本村は、自身の決断を教授の松田へ報告しにいきます。これまでの実験経過、今後の意向を聞いた松田は、本村の意向を支持します。あっさり同意する松田に唖然とする本村。そんな本村に、松田は言います。「予定通りに実験を進めて、予想通りの結果を得る。そんなことをして、なにが面白いんですか?」

 本村は、そのまま実験を進め、取り違えた遺伝子が、シロイヌナズナの葉の大きさの制御に起因することを突き止めます。彼女は結果的に画期的な実験を成功させたのでした。

 予測不能なワクワクが、人生には必要だ!松田教授は、知っていたんですね😊💦

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