中園孔二という画家
横須賀美術館に中園孔二展を観に行ったのは、数日前にお会いした方に勧められたからだった。
2015年、25歳の若さで亡くなった画家。香川の海を夜に泳ぎだして、7日後に岡山の海上で発見されたという。
「もともと一晩中、山の中を歩いたり、海を泳ぐ人だったの。ひとりの時間が必要だったのね」
「自殺だという人もいるけど、そう思わない。楽しくて、もっと先にと泳いでいったはず。幸せだったのかもしれない」
そのエピソードと、スマホで見た展示作品の不思議な明るさに惹かれて、横須賀に出かけた。
燃える炎、濃密な闇、グロテスクな花。呪術的でありながら、どこまでも透明で、あどけないほどのユーモラスさ。
なんの悲しみなのか。なんの怒りなのか。なんの畏れなのか。
ふざけたおかしみと凄絶さ。それにしても、世界はこんなにも明るい。