7SEEDS短歌連作「月を避けずに」

大好きな漫画『7SEEDS』が3月31日までLINEマンガで無料です。7SEEDSは現在月９で放送中のドラマ『ミステリと言う勿れ』の原作者、田村由美先生の名作漫画です。
10巻まで無料期間をいいことに友人におすすめ（※ゴリ押し）しまくり、私も再読したくさんの方と感想を語り合うことに多大なる時間を費やしました。
同時期に、オンライン講座「ぎゅぎゅっと！　推しと短歌」（講師は榊原紘さん）を受講していました。
せっかくなので7SEEDSで一番好きなキャラクターで連作を作ろう！と思い、連作を完成させました。
すでに読んでいる方は、「あのキャラだな」とわかると思いますので、ぜひ読んでいただければと思います。

「月を避けずに」

水槽のなかでは優等生としてひとりで生きていればよかった

危ないと知っていたけど黙ってた咎めるように光ってた月

生き延びて着いた未来で人を撃つ　崇高じゃない人は要らない

教科書に載ってない生物ばかり何を学んできたんだろうか

目的の違うふたりで旅に出る知らない草を標本にする

「愛する」を知らない教えられてない教わったことなら完璧で

満月を避けても罪は隠れないあなたがくれるあたたかい犬

本当のことがあなたを傷つけるでも本当のことしか言わない

来た球を打って返しただけなのになぜかあなたがうれしいと言う

生きるのに要らないはずの筋肉が身体のなかにまだあるらしい

これまであなたがともに夜を超えてきた命が燃える　慰めたりはしない

泳げないあなたを無様だと思う無駄に大きく動く両腕

月が見ているのに眠る　犬もいる　罪は消えずに続くんだろう

泣いているあなたの痛みはわからない寒いから一緒にいたかった

骨になるあなたは見たくない生きて教わった通りに抱きしめる