現場ドリブンを実践するプロダクトマネジメントって?
こんにちは、カミナシのPMチームでUXデザインとリサーチをしている渡邊 (@nabetaro_san) です!
今回はカミナシのPMチームが、プロダクトマネジメントをする上で実践している”現場ドリブン”について具体的に紹介していきたいと思います。
PMチームってどんなことやってるの?と気になる方は、以下のページもご覧ください。
現場ドリブンとは?
カミナシのバリューの中には”現場ドリブン”があります。
カミナシで働く人は、エンジニアでもデザイナーでも職種に限らず実際に現場へ訪問し、そこで働く方や環境を観察し、ヒアリングを行っています。
カミナシの顧客は、国内労働人口のうち約3,900万人を占めるノンデスクワーカーと呼ばれる人々です。私たちはデスクワーカーですが、ノンデスクワークの実態はデスクにいては、なかなか理解と共感が難しいです。
そのためカミナシでは積極的に現場訪問を行うことで、顧客が実際にどのような業務をしているのか、どのような課題があるのか、などの解像度をあげています。
この現場ドリブンの実践を組織のカルチャーとしているため、すべてのチームで顧客への理解の解像度を高く持っています。最近だと現場ドリブンに魅力を感じて入社される方も増えてきています。
みんな顧客のことを知りたすぎてしょうがないという雰囲気です。笑
PMチームのUXデザイナーのかもしー (@96kemu96) も現場ドリブンを実践するべく入社された仲間の1人です。
そんな現場ドリブンを、PMチームでも実践しています。
現場ドリブンを実践するプロダクトマネジメントがどのようなものか具体的に紹介していきたいと思います。
現場ドリブンを実践する理由
PMチームはプロダクトマネジメントを行うチームですが、私たちは常に顧客の課題に対して「なにをつくるのか」というWhatと、それを「なぜつくるのか」というWhyに責任を持ち、考え続けなければなりません。
そのためにまずは自分たちが顧客のことを理解し共感することで、顧客と同じ目線に立って課題に向き合うことが必要です。
カミナシはBtoBかつノンデスクワーク領域にSaaSプロダクトを提供していますが、例えば製造の現場などは私たちから見るととても複雑で難解な業務を行っています。複雑な業務ゆえに顧客が何に困っていて、何が課題なのかもわからないという状態です。
以下は実際に現場で使われている”帳票”と呼ばれる記録用紙です。
私はこれを初めて見た時は、何が何だかさっぱりわかりませんでした。
それもそのはずで、これらの帳票は”読みやすさ”や”理解のしやすさ”を考慮しているわけではなく、生産効率を重視した非常に合理的な設計がされています。
複雑な業務を理解する上で、例えばこれらの帳票がなぜ生産効率が良いのか、そして何が課題になっているのかを読み解いていく必要があります。
しかし、私たちがプロダクト開発でその業務を理解をしようと思った時にまず得られる情報は、顧客からいただいたこれらの帳票と、ヒアリングの記録、ネットや書籍などの情報が中心になります。
ネットや書籍での情報はあくまで包括的な情報であり、帳票を読み解く粒度の情報はあまりありません。またヒアリングでは帳票の細かい設計について聞けるものの、業務のイメージが湧きません。
そのため私たちは現場へ訪問し、実際の運用を自分の目で見て理解する必要があります。
現場ドリブンはカミナシの価値観であると同時に、言葉だけではない行動指針でもあります。
現場ドリブンできる体制
カミナシのプロダクト開発では、新機能や既存機能改善などそれぞれのプロジェクトごとにPM、デザイナー、エンジニアがアサインされるマトリックスな組織体制をしています。
それぞれのPMが起点となり、プロジェクトごとにUXリサーチをする過程で現場ドリブンができる体制になっています。
プロジェクトごとに現場ドリブンができる体制のメリットとしては、プロジェクトという1つの目的があるため意思決定スピードが早く、顧客に対する問いを立てやすいことです。
またカミナシは100名未満の企業規模なので、1つのプロジェクトに3~5名ほどとスモールチームなこともあり、現場で得た情報を元に、プロジェクトメンバー全員での分析や議論を素早く行うことができます。
逆にデメリットとしては、プロジェクトごとに現場の情報をどのように分析し議論をして意思決定を進めたかをドキュメンテーションしないと、組織に情報が落ちにくくなるため対策が必要です。
実際にカミナシでも対策にも取り組んでいますので、気になる人はこちらも読んでみてください。
現場ドリブンできる仕組み
カミナシでは前述のようにプロジェクトチームごとに現場訪問を行いますが、PMは事前に何を明らかにするのかといった目的やゴールを設定する「リサーチ計画」を立てるようにしています。
以前、計画を立てずに現場へ訪問した際に、目の前にある現場の様子に圧倒され、情報があまり得られなかったということがありました。
現場訪問はヒアリングとは異なり、五感で感じ取れることが多く、情報量は膨大になります。
目的がないと、その膨大な情報からどれくらい調査すべきか、深ぼるべきかが定まらない上に、現場へ訪問するメンバーそれぞれの観点で調査が分散してしまいます。
そのためプロジェクトチームでリサーチ計画を事前に立てて、現場訪問に臨むようにしています。
以下は実際に計画する際の項目例です。
またリサーチ計画を立てることは、顧客にとっても重要です。
私たちが行く現場は、顧客が忙しなく業務を行う環境なので、時間をいただいてどのようなことを明らかにし、どのようなメリットが顧客にあるのかを伝えなくてはなりません。
ただこれが結構ハードルが高く、プロジェクトチームでヒアリングなどのUXリサーチを行うものの、気軽に現場訪問をお願いできる関係値になるのはなかなか難しいと思いました。
カミナシではこのハードルを、カスタマーサクセスチーム(以降CSチーム)と連携することで乗り越えています。
日々顧客とコミュニケーションをとり関係値を築いているCSチームに、プロジェクトチームから依頼を行うことで、CSチームに顧客との調整を代わりに行ってもらい、現場訪問の機会をいただいています。
(CSチームの皆さん、いつもありがとうございます!)
現場ドリブンを会社のカルチャーとして、みんなが実践するためには、チーム内だけでなくチーム間での連携ができる仕組みが重要なのだと思いました。
現場での学びを意思決定につなげる
現場へ訪問してみるとデスクで調べている時よりも、圧倒的にわかることの方が多いです。
現場の方が働かれている様子や、忙しなく稼働する機械、帳票の記録の様子など観察することで、自分がまるでそこで働いているかのように業務を体感することができます。
これらの学びは組織において貴重な情報リソースになるため、カミナシでは主に以下の2点で情報を共有しています。
Notionで現場訪問レポートを作成しストックする
Slackチャンネルで最新の情報を発信
プロダクト開発においては、主にNotionでストックされた情報から、インサイトとなる文脈を抽出し分析することで意思決定につなげています。
具体的には、一次情報を前提に記載された現場訪問レポートから、顧客の課題や課題が発生している要因などの文脈を抜き出し、Miro上で事実情報として付箋化します。
その事実情報に対して、プロジェクトチームで仮説解決案をブレストし、課題や仮説の関連性を見出していきます。
このような一連の作業をチームで行うことで、次に明らかにしなければいけない事や優先順位などの意思決定をすることができます。
とは言っても、やはり現場の情報は文章のようなテキスト情報だけでは、キャッチアップできないこともあるので、録画しているものを見たり、帳票の写真をみたりと、かなり泥臭い作業を行っています😅
プロダクトマネジメントは一次情報からはじまる
ここまで現場ドリブンを実践するプロダクトマネジメントを具体的に紹介してきました。
カミナシでは「プロダクトマネジメントは一次情報からはじまる」と考えています。
私たちはデスクワーカーであり、ノンデスクワーカーの課題を当事者として体験することができません。
そのためプロダクトマネジメントをする上では、顧客の環境や課題を疑似体験し、いかに顧客の立場になって考えることができるかがポイントになってきます。
カミナシのプロダクトマネジメントでは、現場ドリブンを実践することで一次情報を取り、日々の開発につなげています。
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