手書きの魅力と万年筆の楽しみ
原稿や仕事で使う文書などはパソコンで書いているし、仕事中は手軽さからノック式のボールペン使っている。しかしプライベートでのメモや自宅でアイデアを記すときなどは万年筆を愛用している。デジタルの便利さはもちろん感じているものの、手書きの魅力はまた別のものである。なにも筆記具は万年筆だけではない。ボールペンやシャープペンシルなど、以前とは比べ物にならないほどの進化をしていて、書きやすさなども大きく向上している。そんな中、なぜ万年筆なのか。
万年筆には独特の感覚がある。紙にインクが滲む瞬間、その筆跡に心地よさを感じる。決して字がうまいわけではないが、その不均一さこそが手書きの味である。またインクの色によっては文字に濃淡が現れる。自分の書いた文字が、どんなに拙くても、手書きならではの温かみがあり、それが心に残るのだ。
万年筆は特に、そのインクの豊かな表現力が魅力である。私はカートリッジインクではなく、コンバーターを使っている。これにより、自分の好きなインクを選び、様々な色を楽しむことができる。万年筆に入れるインクの色を変えるだけで、日々の書く楽しみが広がり、単なるメモやノートがちょっとしたアートのように感じられるのだ。
高級な万年筆を所有しているわけではなく、手頃な価格のものをいくつか持っている。それぞれに異なる色のインクを入れており、その時々の気分に合わせて使い分けることができるのが楽しいポイントである。手軽でありながらも、自分だけのカスタマイズができるこの自由さが、万年筆の魅力の一つだと思う。
デジタルツールがいくら進化しても、私は万年筆を使い続けるだろう。手書きで何かを記す瞬間の感覚は、パソコンやスマートフォンでは味わえない特別なものである。文字を通じて感じる「書く」という行為そのものが、万年筆を使うことでより深く心に響くからだ。
万年筆がもたらす小さな喜びを、これからも楽しみながら、私の日々に寄り添わせていこうと思っている。