秋の思い出はお赤飯。
土曜日のこと。
朝の6時ピッタリに遠くで花火の音が聞こえてきました。
その日の小学校の運動会開催を知らせる合図の音です。
まだベッドの中にいた半分夢の中のわたしは、その音を聞きながら運動会のお弁当を思い出しました。
運動会ではなく、お弁当というのが食いしん坊のわたしらしくて、文章を書きながら笑ってしまいます。
わたしの家では運動会は一大イベントで、車で4時間ほどの所に住む母方のの祖母や叔父叔母、たまに従姉妹が遊びにきて、豪華なお弁当を作り大人数でお弁当を囲い食べるのが恒例でした。
中でも楽しみだったのが、お赤飯のおにぎり。
その祖母のお赤飯はホクホクの栗入りで、運動会の前日は祖母を筆頭に女性みんなが栗の皮を剥きながら笑いあい、声が家中、いや、家の外にも聞こえるほど、笑 賑やかでした。
そんな、思い出の中心にいつもあったのが、祖母のお赤飯。
祖母は料理上手だったので、その他にも煮しめ、鯵寿司、炊き込みご飯、おはぎなど思い出は他にもあるのですが、離れた所に住む祖母のお赤飯を食べられるのは、運動会の時だけだったので特に特別でした。
なので、この季節になるとあの楽しい思い出と共にお赤飯が食べたくなるのです。
けれど、祖母は亡くなっているのでレシピは聞けないし、聞いたところであの味を初めて作るわたしに出せる気もしなかったので、
今回は生協で見つけた赤飯用の小豆を使ってお赤飯を作ることにしました。
洗った餅米に水とこの缶を開けて入れるだけでお赤飯を作ることができました。特に下処理も必要なく、簡単に作れてしまい、小豆を炊くところから作ってもよかったかも、、と思いました。
祖母の味とは当然いきませんが、美味しいお赤飯を食べることができました。
祖母のお赤飯は、とにかく香りが良くてお豆やお米の香りが鼻に抜ける感じがあるのですが、お店でお赤飯を買ったりしたこともあるのですが、やっぱり違うのです。
お米は餅米と白米をブレンドしたり、鍋は吉岡鍋で炊いていたり、お米も小豆も自分で作っていたので、道のりはまだまだ遠そうです。
けれど、ふと祖母が私くらいの歳の頃からそんなに美味しいお赤飯作れていたのかな?とちょっと祖母の若い頃に思いを馳せてみたり。
私に祖母が料理を作ってくれていた年齢まであと40年くらいはあるはずです。それまでには、少しは近づけるかな〜と思ったりもします。
わたしは祖母の美味しいあの味の思い出に、年を重ねる楽しみをもらっているみたいです。
美味しい食事はその時だけでなく、ずっと心を豊かにしてくれるのですね。
みなさんには思い出の味がありますか?