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21-22シーズンに期待する5選手

 4位に終わった昨季のカンピオナート直後に開幕し、我らがアッズーリの優勝で幕を閉じたEURO2020から早1か月。4試合のプレシーズンマッチを消化し、21-22シーズン開幕のウディネーゼ戦まで残すところ2日となったユベントス。今夏のメルカートではサントスからブラジルの新星カイオ・ジョルジ、EUROで一層名を挙げたマヌエル・ロカテッリを難航した交渉の末に獲得することに成功。余剰人員の整理という面ではやや不十分であるが、開幕に向けては準備万端といったところだろう。そこで今回は来たる21-22シーズンに向けて筆者の注目する5選手について述べていこうと思う。

#10 パウロ・ディバラ

 1人目はパウロ・ディバラ。今季でユベントス在籍7年目となる "La Joya" は、「攻撃の起点」のような生半可なものではなくスクデット奪還に向けた「絶対的エース」として君臨することが求められる。17-18シーズンはセリエAにおいて33試合出場22ゴール5アシストと結果を残し、19-20シーズンはリーグMVPに選出されるなど活躍をみせたが昨季の彼は不十分と言わざるを得なかった。数字の上でも20試合出場4ゴール3アシストにとどまり、これだけをみればとても「ユベントスの10番」とは思えないほどだ。今季から第二次政権となるアッレグリは、ディバラをキエッリーニに次ぐ第二主将に任命し、攻撃の中心として期待しているとコメント。プレシーズンにおいてはやや出遅れたものの、先日のアタランタ戦では開始早々に美しいカウンターを完成させる先制ゴールを決め、組み立てにおいても積極的に関与しアタランタの積極的なプレスに対しても飄々と受け流していた。昨日行われたユベントスU23とのトレーニングマッチにおいてもペナルティスポット付近での素早いひと振りから先制ゴールを記録し、ダメ押しとなった3点目をイマジネイション溢れるラムジーとのコンビネーションにて演出した。キャプテンマークを巻いて出場したこの2試合からもコンディションの良さが伺え、今季こそ自分が主役になるという気概が感じられる。27歳というキャリアの円熟期を迎える今季、自身のゴールとアシストでユベントスを「ディバラのチーム」と言わしめ、頂へと導いてくれることだろう。


#20 フェデリコ・ベルナルデスキ

 2人目に挙げるのはフェデリコ・ベルナルデスキ。EURO2020でもイタリア代表の一員として戴冠に貢献したことは記憶に新しい。昨季、一昨季は不十分な出来に終わり、放出候補にも挙げられた。しかし心機一転、背番号を33から20に変更した今季のプレシーズンの評価は上々。ラビオが離脱しているメッザーラにおいて出場しているが遜色なくプレーしている。アタランタ戦では矢のようなミドルシュートをセリエAでも1、2を争うGKであるムッソの守るゴールに叩き込んだ。昨季の公式戦では見られなかった彼のゴールを渇望する。ユベントスでのハイライトとされる18-19シーズンのホーム・アトレティコ戦を上回るパフォーマンスを魅せられるか。ディバラ同様にもう後がない今季、自身をユーティリティプレーヤーとして評価し多様なポジションで起用するアッレグリのもとで輝きを取り戻し、自身の価値を再び証明してくれるだろう。


#30 ロドリゴ・ベンタンクール

 次に述べるのはユベントスにおける5シーズン目を迎えるロドリゴ・ベンタンクール。近年若返りが著しいユベントスの中盤において最長となる在籍年数を記録するベンタンクール。20歳であった加入1年目の17-18シーズンから当時の監督を務めていたアッレグリに重用され、途中出場が多かったもののセリエAで20試合に出場。その後のシーズンにおける活躍や成長については言わずもがなだろう。コンスタントに出場を重ね、ビアンコネーリの中盤に必要不可欠な存在となった。中心選手として成長した今季、自身をイタリアの水に馴染ませてくれた恩師のもとで真価を発揮してくれることだろう。


#6 ダニーロ・ルイス

 18-19シーズン終了後、カンセロとのトレードにて加入した彼の当初の評価はとても高いとはいえず、期待度も同様だった。サッリの下で過ごした19-20シーズンは消化不良に終わったものの、ピルロを監督に据えた20-21シーズンは全4コンペティションにおいて46試合に出場し両サイドバック、センターバックに加えボランチのポジションさえも見事にこなし、大車輪の活躍を見せたことは記憶に新しい。そして加入3年目において3人目の監督と出会うわけだが、彼のような選手がアッレグリに重宝されることに疑いようはない。そのユーティリティ性や献身的なプレーもさながら、ピッチ内外で体現されるリーダーとしての振る舞いやユべントスのメンタリティも重要な要素となる。背番号を13から6に変更し、「ユベントスにおいて歴史ある番号であり、チームのために尽力し、苦しむことのできる番号。この番号に敬意を払い続けたい。」とコメントする彼は今年もユベントスの大きな柱として活躍を魅せてくれるだろう。


#36 マッティア・ペリン

 最後に紹介するのはGKマッティア・ペリン。18-19シーズン開幕前に加入するも負傷離脱なども重なりわずか9試合出場にとどまり、その出場試合においても不運な失点などが重なり好印象ではなかった。そして以後2シーズンは所属元のジェノアにレンタル移籍という形で在籍していた。そして21-22シーズンは昨季限りで退団したジジ・ブッフォンに代わる第2GKとしてユベントスに復帰。監督は前在籍時と同じアッレグリであり、GKのファーストチョイスもシュチェスニーであると考えられる。しかし彼のGKとしての能力はセリエA随一であり、事実として昨季も降格圏からジェノアを救いだし、順位表の左側にも滑り込もうかという11位フィニッシュに大きく貢献したのだ。イタリア代表に選出された経歴もある彼が第2GKに収まるような選手ではないことは明らかであり、その彼がシュチェスニーの後ろに控えていることの安心感は計り知れない。また、与えられた出場機会からレギュラーポジションさえも奪えると信じている。


おわりに

 以上これまで私が今季特に注目している5選手について述べてきた。もちろん、この他にも新加入の2選手や新たなポジションで起用されつつあるラムジー、U23やプリマヴェーラからトップチーム召集される可能性のある選手たち、EUROでその名を世界中に轟かせたキエーザやクルゼフスキにも大きく期待している。また寝不足の日々が帰ってくることに胸を躍らせ、開幕のウディネーゼ戦を楽しみに待ちたいと思う。

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