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最も過小評価されているドラマー

早朝にNoteを書くために音楽系の動画をYoutubeで眺めていたら、ふと目の中に入った奇妙なサムネイル画像。何となく惹き込まれて見始めたところ思わず吹き出してしまったのが、こちらの映像。何を今更と、ご存知の方も大勢いらっしゃるかも知れませんが、アンパンマンのマーチが、凄いことになっている。

ぬいぐるみを着た制約がある中で、正確無比なリズムを繰り出し、只者では無いテクニックもさる事ながら、極端に大きなドラム捌きや間合いのアクションの中に、コミカルなエンタテイメント要素が散りばめられていて何回も見直してしまった。ディズニーシーの人気アトラクション、ビッグバンドビートでのミッキーのドラムも真っ青の凄腕。

着ぐるみだから、身体が自由に動かせず、視界も狭く、呼吸すらままならないはずなのに、ここまで叩けるとは凄まじい名人芸。加えて、シンバルの高さが通常のドラムセットよりも高めにセッティングされているように見受けられる。推測だが、叩く姿が良く見え、且つアクションが大きく見えるようにする工夫だとしたら、手を伸ばす距離が長くなるから更に難易度が高いはず。

そのまま幾つか関連動画を観ていたら、何とあのX Japanの名曲で難易度の高い『紅』をYoshiki張本人を目の前に披露している映像もあった(本人もウケてます)。こちらは高速ドラムの難易度が高いからか、シンバルが低めにセッティングされている事がわかる。

このキャラを調べてみたら、「にゃんごすたー」という猫とリンゴをかけた青森県黒石市のゆるキャラだった。名前は、ビートルズのドラマー、リンゴ・スターにあやかったものだそう。

「みんなを喜ばせて力を蓄え、HOLLYWOODの丘を目指す」のが当面の目標

更に調べてみたら、Ultimate Guitarというウェブサイトの「過小評価されているドラマー25人」で、何と一位にランクされていた(2021年1月)。そのランクに入っている主だった面々はこちら。

22位、今年五月に東京ドームで公演予定、レッドホットチリペッパーズのChad Smith(コメディアン俳優のウィルファレルに酷似な方としても有名)

20位、ロックの殿堂入りしているヴァンヘイレンのAlex Van Halen

18.位、オルタナティブロックの代表格、元スマッシングパンプキンズのJimmy Chamberlin

13位、ビートルズのRingo Starr
(本家よりも、にゃんごすたーはランキング上位)

6位、マイケルジャクソンのツアードラマーを担ったJonathan Moffett, aka "Sugarfoot"

錚々たる敏腕ドラマー達です。そして、唯一の三桁票を取り付けて優勝したのが、にゃんごすたー。そこに投稿されていた動画が、冒頭のアンパンマンのテーマ演奏でした。

投票画面@Ultimate Guitar

因みにその動画のタイトルは、”When you’re overqualified for the job”となっていて、「極端に役不足な仕事を与えられたとき」、言い換えると「朝飯前の仕事を与えられたとき」つまり、求められるレベルを遥かに凌いで仕事に取り組んでいるミスマッチな状態が発生している状況を表現しているのが面白い。

因みに、この”overqualified”という言葉、アルクの英辞郎にはこう記載されている。

必要以上に教育を受けている、資格過剰の◆求職者や雇用者(=雇われる人)が、その仕事で必要とされるレベルをはるかに超える能力・経験・学歴などを持っていること。一般に、そのような仕事はふさわしくないというニュアンスを持つ。この言葉は、求職者を不採用にするときの口実としても使われる。
・You're overqualified for this job. : あなたのような優秀な人には、この仕事はふさわしくありません。

- 英辞郎 - アルク

実際にそんな稀有な事態が起こったらどうなるのか、にゃんごすたーのコンセプトを知る由もない外国の方の見立てによって、そんなタイトルが付けられたものと思われる。

話を戻して、にゃんごすたーについて更に調べていったら、ドラムメーカー大手のTAMAからは、シグネチャーモデルの赤いドラムスティックが販売されている。

冗談のように見えますが本物です

そして、電子ドラムメーカーのローランドのプロモーションビデオにも登場している。

これも冗談では無くて本物です

ローランドの動画はドラムメーカーだけあって、ドラマー目線でのアングル映像が秀逸ですが、それを凌駕する、にゃんごすたーのドラミングテクニック、特にこの映像で良く捉えられている規則正しい足捌きに脱帽です(物凄く器用な貧乏ゆすりに見えます)。

いやあ、凄まじい。電子ドラムも進化していて、叩く場所によってシンバルの音が変化している事が分かりますが、それを巧みに使いこなして完膚なきまで叩きまくる。にゃんごすたー、凄すぎる。

さて、にゃんごすたーに興味を持たれた方はこちらもどうぞ。ピアノとのデュオによる『トルコ行進曲』の演奏です。ピアノとピタリと息の合った精度の高いメトロノームのようなリズム感が見どころ、聴きどころです。

ロックのアニメ”SHOW BY ROCK!!STARS!!”挿入歌までデスメタル調で演奏してます。

イベント営業では、バスドラムの使い方が特徴的なピンクレディーの『ペッパー警部』まで腕慣らし程度にコミカルに叩いています。110番の日にかけた洒落た選曲です。

大阪にある水族館「海遊館」での演奏では、場所を意識した選曲で、スーパーでよく耳にする『おさかな天国』を演奏しています。一番目の「あたま、あたま、あたま〜」の時に頭を指す仕草が絶妙です。

どれも全力で取り組む姿勢、コミカルな選曲、楽曲へのリスペクトが感じられて、音楽としてもエンタテイメントとしても素晴らしいと思いました。近くで演奏が観られるのなら、絶対に足を運びます。

さて、今回の脱線です。先のタップダンスとドラムを披露するミッキーの才能や努力には頭が下がる思いですが、そのコンセプトには、ダンスの達人フレッドアステアがあったのかも知れません。タップダンスのみならず、ドラムも嗜んでいました。

現代ドラマーの大御所、スティーブガッドも、若い頃にミッキーマウスのテレビ番組でドラムのみならず華麗なタップダンスを披露しています。

ジャズドラムのレジェンド、バディリッチ、ルイベルソンやパパジョーンズもタップダンスはかなりの腕前(脚前?)だったそうなので、両者にはリズム感と体の動かし方に共通項がありそうです。

そう考えると、にゃんごすたー、天性のリズム感とエンタテインメント気質で、タップダンスもこなしてしまうのでは、なんて期待してしまいます。

さて、勝手なお世話ですが、にゃんごすたーが目標としている「ハリウッドにいって白ねこになる」ための近道は、”America’s Got Talent”に出場することかも知れません。

にゃんごすたーのLINEスタンプより

『セサミストリート』のテーマのような選曲ならアメリカ人の心を鷲掴みして、一般大衆の人気に火が付くのでは無いでしょうか。

あの辛口審査員のサイモンもビックリするはず

そんな妄想をしながら、今日は締め括りとします。にゃんごすたー、有難う。応援します。それでは、素敵な週末をお過ごしください。

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