見出し画像

自著に英語学習者へのメッセージを込めた

2019年の年末に、僕は『TOEIC(R) L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』という本を出版しました。この本には、英語学習者に向けた僕なりの強いメッセージを込めました。簡単に言えば、「隅から隅まで学び尽くして、英語力自体を高めよう」という内容です。

英語学習の市場には、毎年膨大な量の新しい教材が登場します。しかし、その中で本当に大切なことは、「どれだけ多くの教材を買ったか」ではなく、「手元の一冊をどれだけ深く学べたか」だと思っています。その思いを形にしたのが、この本でした。

メッセージが届かなかった理由

しかし、正直に言うと、この本の売れ行きはあまり良くありませんでした。僕の思いを込めたメッセージが、英語学習者に十分届かなかったのではないかと感じています。

発売直後にコロナ禍が始まり、TOEIC自体が一時的に中止されるなど、状況の変化も影響したかもしれません。それでも、ふと考えるのです。

「本当にそれだけが理由だったのか?」と。

もしかすると、「一冊から学び尽くそう」という真実に、多くの人が向き合いたくなかったのかもしれないとも思うのです。

「一冊を学び尽くす」という厳しい現実

英語学習は時間がかかります。だからこそ、あちこちに手を伸ばすよりも、一つの教材を徹底的に学ぶ方が、効率的で成果も出やすいのです。しかし、その「徹底的に学ぶ」というプロセスは、簡単ではありません。

学び尽くすには、繰り返し読む根気や、自分の弱点を見つけ出して修正する意識が求められます。つまり、楽ではないということです。おそらく、僕の本のメッセージが届かなかったのは、この「楽ではない」現実を突きつけてしまったからかもしれません。

英語学習者への本当のメッセージ

それでも、僕がこの本を通じて伝えたかったのは、「一冊を深く学ぶことで得られる大きな成果」です。教材を増やし続けることに時間やお金をかけるよりも、たった一冊を使いこなすことで得られる英語力の方が、何倍も実践的で役に立つはずです。

英語学習は、目先のスコアだけではなく、自分の可能性を広げるための手段です。一冊を徹底的に学ぶことで得られるのは、単なるテストの点数だけではなく、英語を使う自信とスキルそのものです。その価値を伝えたくて、この本を書きました。

これからの挑戦

『TOEIC(R) L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』の売れ行きが芳しくなかったことは残念ですが、それが僕のメッセージを否定するものではないと信じています。むしろ、学習者が「一冊を学び尽くす」という厳しい現実と向き合えるよう、これからもサポートしていきたいと考えています。

英語学習者の皆さんに、手元の教材を最大限に活用し、英語力を高める楽しさを知ってもらう。それが、僕がこの本を通じて伝えたかったことの核心です。そして、その思いはこれからも変わることはありません。

「はじめに」を全文公開

せっかくここまでお読みいただいたのですから、一冊と向き合う勢いをさらに加速させたいと思います。『戦略特急』の「はじめに」を全文公開します。少しでも参考になりますように。

「スコアが上がらないまま、本だけが増えていく状態から卒業しよう」

TOEIC のスコアアップに必要なのは 「戦略」

 TOEIC のスコアアップに関する教材や情報は巷にあふれています。そんな世界に、本書を送り込む意義はたった一つです。
 皆さんのスコアアップの羅針盤となる「戦略」を提供するためです。
 本書の「戦略」とは次の2つです。

① 「スコア育成計画」 を作成する
② スコアアップに直結する 「復習方法」 を体得する

 戦略のない学習は効果が出にくい。このことは、10年以上続けている TOEIC 学習やTOEIC 受験、学生や社会人へのTOEIC 指導を通して実感していることです。今の学習が何に効果があるのかがわからないまま学習を続けたとしても、スコアアップ効率は低いと言えます。

 筋トレは、漠然と腕立て伏せをするのではなく、「今鍛えたいのは上腕三頭筋なのか、上腕二頭筋なのか、どの筋肉を鍛えたいのか」を明確にしたうえで、その部位が育つイメージを持ちながら、そこに効くトレーニングをすることで、何倍もの効果を生み出すことができます。

 TOEIC 学習も同じです。たとえば「リスニングセクションのパート2の会話で、リエゾンする音と、省略される音が聴きとれるようにする」という目標を明確にしたうえで、パート2の会話で「リッスン&リピート」をしたり「音読」をしたりすれば、スコアアップに効くトレーニングとなります。

 自分の持っている力を冷静に分析し、そこからTOEIC のスコアアップにつながるには何をすればよいのか、その「戦略」を明確にすることではじめて、非効率な学習を避けることができます。すると、TOEIC 戦闘力が目に見えて上がるのです。

 そのときに注意したいのが、正しい方法で学習しているかどうかですが、本書では具体的な例題や練習問題を解きながら効果的な学習方法をご紹介していきます。

TOEICは「自分の成長を楽しめる」 ゲーム

 突然ですが、皆さんはゲームや漫画が好きですか?

 ぼくは「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」など、ゲームや漫画がとても好きです。

 そして、これらのものには共通点があります。

「 主人公が、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えるために成長していく」

 いつも順風満帆というわけではなく、これらの主人公は何かしら壁にぶつかります。大体の場合、その壁とは強い敵です。その敵にはすぐに勝てません。主人公は地道に修行をしてレベルアップをし、その敵に打ち勝ちます。

 これが共通する大枠のストーリーです。そして、ぼくが面白いと感じる理由は、主人公をはじめ、登場キャラクターたちの成長にワクワクし、感動するからです。

 転じてTOEIC です。人の成長する姿が好きなぼくは、いつしか TOEIC を「自分を主人公にしたゲーム」と位置づけて臨んでいました。上記のストーリーに当てはめると、

・主人公=自分
・強い敵=目標スコア
・修行=学習トレーニング:問題演習/復習
・レベルアップ=英語力アップ/得点力アップ

 というようにです。こう考えると、TOEIC は「自分の成長を楽しめる」ゲームになります。

 皆さんも、今から TOEIC テストをご自身が主人公のゲームとしてとらえて、わくわくのゲームの世界に入ってきませんか? 

自分が TOEICというゲームをクリアするための作戦:「スコア育成計画」

 TOEIC ゲームクリアのための戦略を「スコア育成計画」と名付けました。

 え? 「ダサい」ですか? 「カッコいい」ですよね。

 皆さんにもぜひ、ご自身の「スコア育成計画」を作成していただきたいです。

 ぼくは、2006年9月の初受験時直後から「スコア育成計画」を作成して、自分で設定した「目標スコア」をもとに、戦略に沿って「学習内容」を決め、着実に「ステージクリア(スコアアップ)」を重ねてきました。

 もちろん、すべて計画通りに進んだわけではありません。人生、それほど順風満帆には進みません。ですから、「スコア育成計画」の変更、修正を余儀なくされたのは一度や二度ではありません。

すぐに目標スコアに到達できたわけではない。
すぐにスコアアップできたわけではない。

 当然です。けれど、そんな中でも、戦略の微調整を重ね、小さな目標をクリアしては得点スキルやアイテムをゲットして自分の成長を楽しみ、最後には、念願の990点満点を奪取することができました。「スコア育成計画」を調整し、工夫し、更新し続けた結果です。

 本書では、皆さんご自身の「スコア育成計画」を作るためのコツと、最も良いと思う具体的な方法を、体感しながら身に付けてもらいます。

 実際に計画を練ってもらう前に、まず、自分が目標スコアに到達するまでに、計画を邪魔するものに出会ったことをお伝えしなくてはなりません。

新刊という 「誘惑」 と 「勇者の行動」

 世の中にはTOEIC 対策向けの参考書や問題集が溢れています。本書を書店で手にとっている方は、怪しまれない程度に周りを見回してみてください。TOEIC 対策だけで、何十種類、何百種類あるのでしょうか? 百花繚乱、色とりどりです。ぼくのところに「どの本を使ったらいいですか」という相談が後を絶たない理由は明らかでしょう。

 この状況に加えて、韓国で発刊されている問題集という選択肢まで出てきました。入手はどんどんと簡単になっています。ある一冊を手に入れたと思ったら、次から次へとTwitterやブログなどで「○○先生の新刊が出る」という甘い誘い文句が流れてきます。それらが、せっかく自分が立てた「スコア育成計画」に迷いや狂いを生じさせてきます。ゲームや物語には、いつだって主人公の進路を惑わせる人や物は出てくるものです。

「このシリーズの新刊もやりたい」
「この本は一旦ストップして、こちらに取り組もう」
「あれは続かなかったけれど、これなら続きそう」

 これは、 「TOEIC 本ラビリンス」に迷い込んでいる状態と言えるでしょう。次の本に目移りする状態は、英語力・スコアアップには必ずしも有益とは言えません。

 ここで最も賢明な勇者は、ある動きをします。

 それは「一冊を徹底的にやり込もう」「徹底的に復習し尽くそう」というものです。

 ぼくは、はじめから勇者の行動はできたわけではありませんが、今、学習者を見ていても、社会人や学生を教えていても、結果を出しているのは「勇者の行動」をする者です。

正しい復習

 ぼくを含め、「徹底的に復習をする」ことによってスコアアップをした人は多く存在します。

 でも、ちょっと待ってください。そう単純にはいきません。

 同じ本を使用し、復習をしているにもかかわらず、成果を出せる人と出せない人がいます。それはどうしてでしょうか。

 その違いは、正しい復習をしているか否か、です。

 スコアが伸び悩んでいる方に、復習の取り組み方を伺ったところ、復習をしているつもりの状態であることがわかりました。

 誰もが成果を出せる「正解の復習」を、ぼくの経験を踏まえてご提案させていただきます。これが、本書の肝です。

 一度「正しい復習」を体得できれば、あとは上昇あるのみです。

 本書で、ぼくの努力と試行錯誤の10年間の粋を、そっくり皆さんにお伝えします。

解法やテクニックは知っている
TOEICの薀蓄は知っている
有名な本は持っている
なのに
スコアは上がらない

 この状況から一刻も早く卒業し、自分の「スコア育成計画」通りに、TOEIC というゲームをクリアできるよう、ぼくと一緒に冒険の旅に出てみませんか?

 納得いくクリアができるまで、四方八方から全力でサポートいたします!

戦略策定をやり切る90分

有料ではありますが、読者の皆様に徹底的に寄り添う90分を(有料ではありますが)提供しております。


いいなと思ったら応援しよう!

渡邉淳(ぽるぽる)
もし内容に共感をしていただき、有益だと感じていただけたら、サポートをお願いできますと幸いです。情報を広める手段として使用させていただきます。