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11月21日(木)

 就活の筆記試験を受けに京都に行った。明らかに勉強不足で、全然解けなかった。頼むから受かっていて欲しい。
 せっかく京都に来たので、京都っぽいものが食べたいと思っていたのだが、就活仲間がラーメンを食べたいと言ったので、二人でラーメンを食べに行った。1000円で特大のラーメンが食べれたので、良かった。
 その後、就活仲間と別れ、一人で京都観光をすることにした。とりあえず、清水寺に向かうためバス停に並んだ。観光客が多く、バス待ちが長蛇の列と化していた。外国人のおばさまに「これ全部バスの列なの?」と英語で話しかけられ「Yes」と答えると「Wow…crazy」と言っていた。
 清水寺は、案の定ものすごい数の外国人観光客で溢れていた。本来最も日本を感じられる場所であるはずなのに、知らない言語ばかり耳に入ってきて、不思議な空間と化していた。
 最近あまりにも良いことがないので、パワーをいただこうと思っていたのだが、おみくじを引いたら凶が出た。隣にいたカップルの彼氏も凶だったらしく「うわ、俺凶だわ!」「え、マジで?」と楽しそうに盛り上がっていた。俺は一人なので、ただ噛み締めることしかできない。同じ凶のはずなのに、明らかに俺の方が凶だった。
 「京都 パワースポット」と調べたら、一番上に伏見稲荷大社が出てきたので、そこに向かうことにした。凶の上塗りがしたいと思い、稲荷大社でもう一度おみくじを引いた。凶が出た。「一日も早くたて直しをしないと人生の敗者となる。今が最後の機会である。」と書いてあり、震え上がった。
 帰りがけ立ち寄ったお土産屋さんから、修学旅行らしき中学生男子達が出てきた。
「これ買って良かったわ」
「なんで?」
「店員さんむっちゃかわいかった」
「え、いいなー!」
 男子達が立ち去った後、店内の女性二人の会話が薄らと聞こえてきた。
「かわいかったって言われてたね」
「え、聞こえてました?」
「聞こえてたよ」
 店員さんは気恥ずかしそうに笑っていた。中学生男子の一切悪意の無い下心が、店内を平和で和やかな雰囲気にしていて、非常にほっこりした。

鯖雲や 京の土産は凶二枚

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