【超短編小説.12本目】一人言
「あーーー。しんどっ。」
一人の部屋で、つぶやいていた。社会人生活が始まって、まだ3日目だというのに、もう嫌になってきた。9時から18時まで働くという生活に、一ミリも身体が付いてこないのである。
「くっそ…。もっと大学時代にちゃんとしとくべきだったな…。」
こんなことをつぶやいても何の意味もないことくらい、自分が一番わかっている。しかし、やめられない。段々と上司や会社の悪口も湧き上がってくる。
「クソッ!」
つぶやくだけで、心が少しだけスッとなるような気がした。
次の日、出社すると、嫌いな上司にポンっと肩を叩かれた。
「SNSは人が見る場所だからね…。」
と言われた。
「上司にバレた…。最悪。一人言くらい、自由に言わせて欲しい。」
と、つぶやく。
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