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週末英文法プラス 【時制の一致の例外】 Apr.15.2024
さて、週末ではありませんが昨日に引き続いて時制の一致です。
主節の動詞が過去時制の場合は従属節の動詞も過去の形に調整しなければならないというルールが時制の一致でしたね。しかし、このルールが適用されない例外があるので、順番に見ていきましょう。
(ex1) We learned that the earth is round. 【不変の真理】
(私たちは地球が丸いということを学んだ。)
(ex2) He said to me yesterday that he is a doctor. 【現在も変わらない事実】
(彼は昨日僕に自分は医者であると言った。)
本来、主節の動詞が過去形のときにthat節内の動詞が現在形になることはありません。しかし、例外があります。
(ex1)の「地球が丸い」という事実は時代や場所によって変わることのない真理ですから、常に現在形で表します。このように、科学的に証明されている物理現象等を不変の真理と呼びます。ことわざや格言などもこれに含まれますね。
また、(ex2)の「彼が医者である」という事実が昨日と今日で変わることは考えにくいので、これも常に現在形で表します。
(ex3) He said that Columbus discovered America in 1492. 【歴史上の事実】
(コロンブスは1492年にアメリカを発見したと彼は言った。)
歴史上の事実は常に過去形で表します。主節の動詞が過去形のときに過去完了形にする必要はありません。
(ex4-1) I wish he helped me with my homework.
(彼が僕の宿題を手伝ってくれればいいのにと僕は思う。)
(ex4-2) I wished he helped me with my homework.
(彼が僕の宿題を手伝ってくれればいいのにと僕は思った。)
(ex5-1) I wish he had helped me with my homework.
(彼が僕の宿題を手伝ってくれればよかったのにと僕は思う。)
(ex5-2) I wished he had helped me with my homework.
(彼が僕の宿題を手伝ってくれればよかったのにと僕は思った。)
最後は従属節が仮定法の場合です。(ex4-1)のように従属節が仮定法過去になっているとき、(ex4-2)のようにwishが過去形になった場合、helpedを過去完了形にしてしまうと(ex5-2)と区別がつかなくなってしまいます。英語の時制表現の限界がここにあります。なので、従属節が仮定法の場合は時制の一致を受けず、意味通りにそのままにします。
<時制の一致の例外>
①従属節が不変の真理 $${\rightarrow}$$ 従属節は常に現在時制
②従属節が現在も変わらない特性や事実 $${\rightarrow}$$ 従属節は常に現在時制
③従属節が歴史上の事実 $${\rightarrow}$$ 従属節は常に過去時制
④従属節が仮定法 $${\rightarrow}$$ 従属節は仮定法の意味通り
以上が時制の一致の例外です。前回の時制の一致の原則とともに覚えておいてくださいね。また、時制の一致は『話法』とも密接な関係があります。機会があればそちらにも触れたいと思います!