1日2題の英文和訳 【解説編】 Dec.10.2024
雪こそ降りませんでしたが路面がツルツルの朝です。登校中の小学生があちこちで転んでいます。大笑いして楽しそうですけどね。
では今日も始めましょう。
【第1問】
「彼女の翻訳作品のおかげで、海外のファンが最新話を日本で発売されるのと同じ日に英語でオンライン上で読むことができるようになった。」
【解説】
英文の構成は“allow + O + to do 〜”の形になっています。直訳すると「Oが〜するのを許す、認める」となりますが、典型的な無生物主語構文になっています。まずは一般則を確認しましょう。
今回は文の主語である「彼女の翻訳作品」が、目的語である「海外のファン」が最新話を読むことができる手段や理由に相当しています。
よって、「彼女の翻訳作品によって海外のファンは最新話を読むことができる」という自然な日本語にすることが出来ますね。
無生物主語構文については、『週末英文法』の過去記事も参考にしてください。
その他、文末には“online”、“in English”、“on the same day”という3つの副詞語句が並んでいるので丁寧に訳していきましょう。
また、dayの直後には関係副詞のwhenが省略されているので、関係副詞節に修飾されていることにも注意しましょう。
【第2問】
「しかしながら、生命が繁栄することができるであろう暖かくて湿潤な世界として火星を以前の状態に戻すという可能性は魅力的なものである。」
【解説】
文の主語はthe prospectで、of以下の長い修飾語句を伴っています。動詞はis、補語が“an appealing one”で、oneはprospectの繰り返しを避ける代名詞です。
主語についている長い修飾語句がこの英文の最大のポイントです。
① the prospect of returning Mars to its former state
(火星を以前の状態の戻すという可能性)
② as a warm, wet world
(暖かく湿潤な世界として)
③ where life could flourish
(生命が繁栄することができるであろう)
③は関係副詞節で②のworldを先行詞として後置修飾しています。
また、①の前置詞句は直前のprospectの内容説明になっているので、いわゆる『同格のof』とよばれるものです。“名詞 + of 〜”の形で「〜という名詞」と訳すのが基本ですが、自然な日本語になっていればよいと思います。
なお、『同格のof』については、詳しくは『週末英文法』の過去記事を参照してください。