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週末英文法 【分詞構文の作り方】 Nov.9.2024
今週末は超頻出事項である分詞構文について学びましょう。
分詞構文は文頭だけでなく文中や文末に置かれることもあり、全体として副詞語句として働きます。主節に対して意味を加えるんですね。今日は分詞構文がどのようにして作られるのかの仕組みを理解してほしいので、分かり易く文頭に置きます。また今回は便宜上、分詞構文は従属接続詞のある従属節に由来すると想定して考えていきましょう。(そうではないものもありますが、それはまた次回。)
1.基本編
次の英文を見てください。
(ex1-1) When she saw me, she ran away.
(彼女は僕を見ると、逃げた。)
(ex2-1) Though he has few friends in this town, he lives a happy life.
(彼はこの街に友人がほとんどいないけれども、楽しく暮らしている。)
従属節に注目して次の点をチェックし、分詞構文を作ります。
①従属接続詞を省略
②従属節と主節の主語が共通ならば従属節の主語を省略
③動詞の時制が主節と同じならば動詞を現在分詞にする
すると次のような英文が出来上がります。
(ex1-2) Seeing me, she ran away.
(僕を見ると、彼女は逃げた。)
(ex2-2) Having few friends in this town, he lives a happy life.
(彼はこの街に友人がほとんどいないけれども、楽しく暮らしている。)
これが分詞構文です。接続詞を使うことなく2つの文の内容を結びつけることができました。では、色々なパターンを見ていきましょう。
2.否定形の分詞構文
次の英文はどうでしょうか。
(ex3-1) As I didn't know what to say, I remained silent.
(何を言うべきかわからなかったので、僕は黙ったままでいた。)
先程の①〜③の条件はすべて満たしていますが、唯一異なるのは従属節が否定文だということです。そこで次のルールがあります。
④従属節が否定文のときはnotまたはneverのみ残す
否定文のときはこのルールが適用されますので、次のような文が完成します。
(ex3-2) Not knowing what to say, I remained silent.
(何を言うべきかわからなかったので、僕は黙ったままでいた。)
3.受動態の分詞構文
それでは次の英文です。
(ex4-1) As I was spoken to suddenly, I was very surprised.
(突然声をかけられたので、僕はとても驚いた。)
従属節が受動態になっていますね。動詞はbe動詞で現在分詞はbeingですから、これまでのルールに従えば、次のような分詞構文が出来上がります。
(ex4-2) Being spoken to suddenly, I was very surprised.
この英文は文法的に問題のない正しい英文です。しかし、受動態の場合には次のようなルールもあります。
⑤分詞構文においてbe動詞は省略できる
be動詞を省略することもできるので、省略すれば次のような文になりますね。
(ex4-3) Spoken to suddenly, I was very surprised.
(突然声をかけられたので、僕はとても驚いた。)
ちなみに、分詞構文が受動態の場合はbe動詞を省略するのが通例です。
4.主語の不一致
それでは次の英文はどうでしょうか。
(ex5-1) As it was sunny yesterday, we went for a picnic.
(昨日は晴れだったので、私たちはピクニックに行った。)
ここまで5つのルールを見てきましたが、この英文は従属節と主節の主語が一致していないので②のルールを適用できません。そもそも従属節の主語を省略してしまうと、もはや手がかりが永遠に失われてしまいます。よって次のようなルールがあります。
⑥従属節と主節の主語が一致していないときはそのまま残す
すると以下のような分詞構文が完成します。このように主語が残った分詞構文は特に独立分詞構文と呼ばれます。
(ex5-2) It being sunny yesterday, we went for a picnic.
(昨日は晴れだったので、私たちはピクニックに行った。)
5.時制のズレ
最後に次の英文です。
(ex6-1) As he lived with Sarah for a year, he knows her personality well.
(彼は1年間サラと暮らしていたので、彼は彼女の性格をよく知っている。)
この英文は従属節と主節の時制が一致していないので③のルールを適用できません。ここで最後のルールです。
⑦従属節と主節の時制が一致していないときは完了形を用いる。
現在分詞を完了形(having + p.p.)にすることによって時制がズレていた証拠を残します。
(ex6-2) Having lived with Sarah for a year, he knows her personality well.
(1年間サラと暮らしていたので、彼は彼女の性格をよく知っている。)
ただし、細かい話ではありますが、完了形の分詞構文が時制のズレではなく、本来の完了形の意味(継続・経験・完了・結果)になることもあるので注意してください。下記の文は完了の意味であって、時制のズレを表してはいません。
(ex7-1) When you have finished your homework, please call me.
$${\downarrow}$$
(ex7-2) Having finished your homework, please call me.
(宿題を終えてしまったら、僕に電話をください。)
6.まとめ
最後にルールをおさらいしておきましょう。
<分詞構文を作る時のルール>
①従属接続詞を省略
②従属節と主節の主語が共通ならば従属節の主語を省略
③動詞の時制が主節と同じならば動詞を現在分詞にする
④従属節が否定文のときはnot/neverのみ残す
⑤分詞構文においてbe動詞は省略できる
⑥従属節と主節の主語が一致していないときはそのまま残す
⑦従属節と主節の時制が一致していないときは完了形を用いる
今日の内容を踏まえて、明日はいよいよ分詞構文の訳し方を説明します。