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1日2題の英文和訳 【解説編】 Dec.11.2024

今朝の札幌は朝から雪がちらついています。今日は断続的に降る予報で、少しずつ積雪が増えていきそうです。
それでは今日も始めましょう。

【第1問】
「その緊密な廃棄物とリサイクルの連鎖が、一般的にはあまり栄養がない熱帯の海域に生息しているにも関わらず、サンゴ礁が密集していて多様な生物個体群を支えることができる主な理由のひとつなのである。」

【解説】
大まかな文構造は、主語が“that tight waste-recycling chain”、動詞がis、補語が“one of the primary reasons”です。

reasonsの直後には関係副詞のwhyが省略されていますので、ここから文末までがreasonsを修飾する関係副詞節です。

関係副詞節の主語が“coral reefs”、動詞が“are able to support”、目的語が“a dense and diverse population of creatures”です。ここでのpopulationはもちろん「人口」ではなくて、「個体数」や「個体群」という意味なので注意しましょう。

さらに前置詞句が続きます。“reside in 〜”は「〜に住む、生息する」、watersは「水域、海域」という意味です。
watersの後には非制限用法の関係代名詞があって、「熱帯海域」を補足的に説明しています。

いくつかの部分に分けることができる英文なので、情報を整理しながらひとつひとつを丁寧に訳していくことが必要です。文法的に難しい点はないのですが、英文和訳に慣れていない人にとっては難解に感じられる英文かもしれませんね。

--- Words and Idioms ---
dense(形)「密集した」「濃い」「難解な」「頭の回転が遅い」
population(名)「人口」「人々」「個体数」「個体群」
reside(自動)「住む、居住する」「存在する」
tropical waters 「熱帯海域」
nutrient(名)「栄養物、栄養素」


【第2問】
「翻訳は、この観点から見ると、新たな形式の原文となり、別な時間と場所においてそれが存在することを確実にし、消滅からその原文を事実上救うのである。」

【解説】
短い英文ですが、1文中に分詞構文が3つあるという珍しい文です。

まず1つ目の分詞構文は文の途中に挿入されていますので、いわゆる『文中の分詞構文』です。まずはその点を確認しましょう。

<文頭・文中の分詞構文の意味>
 ① 従属接続詞の省略(時・条件・譲歩・理由)
   (ex1) Seeing me, she ran to me smiling. 【時】
     (私を見ると、彼女はほほえみながら駆け寄ってきた。)
   (ex2) Having seen the movie, she got bored. 【理由】
     (その映画を見たことがあったので、彼女は退屈してしまった。)

 ② 付帯状況(同時)
   (ex3) The girls, looking at the sunset, sat on the bench.
     (その女の子たちは夕日を見ながらベンチに座っていた。)

 ③ 連続、連続的行為
   (ex4) Saying goodbye to us, she left the room.
     (私たちにさよならを言って、彼女は部屋を出た。)

今回は上記①のパターンで、whenまたはifが隠れていると考えるのが文脈からも自然ですね。主語は主節と共通で、過去分詞から始まる分詞構文は受動態ですから、復元すると以下のようになります。

when/if the translation is seen from this perspective
(その翻訳がこの観点から見られると/見られれば)

さて、残り2つはどうでしょうか。主節のあとに置かれている分詞構文ですから、いわゆる『文末の分詞構文』です。これも確認しましょう。

<文末の分詞構文(SV …., doing 〜)>
90%以上が以下の3つのどれかだと考えて構いません。③は主節の内容を原因や理由として分詞構文がその結果や結論を表します。

 ①【同時】「Sは〜しながら…する」
  (ex1) They sat on the bench, watching a beautiful sunset.
   (彼らは美しい日の入りを見ながらベンチに座っていた。)

 ②【連続】「Sは…して、そして(それから)〜する
  (ex2) He fell from the bed, spraining his ankle.
   (彼はベッドから落ちて、足首をくじいた。)

 ③【因果関係】「Sは…で、その結果〜となる
  (ex3) He caused a serious traffic accident, leading his permanent damage.
   (彼は深刻な事故を起こし、その結果後遺症を負った。)

もし上記①〜③のどれでも不自然な場合は、もともとは従属節だったはずなので、時・条件・譲歩・理由などの従属接続詞の省略を考えます。

それぞれの概要を考えると、

「翻訳が新しい原典となる」$${\rightarrow}$$「存在を確実にする」$${\rightarrow}$$「消滅から救う」

という流れがあることがわかります。よって、今回は上記②のように連続的に訳していくと良いと思います。

分詞構文について復習するには大変良い問題だったと思います。文の大意は掴めても、正確な訳を作るのは難易度が高いのではないでしょうか。

--- Words and Idioms ---
perspective(名)「観点、見方」「全体像、大局観」「遠近法」
text(名)「文章、本文」「原文、原典」
ensure(他動)「〜を保証する、確実にする」
effectively(副)「効果的に、効率的に」「事実上、実質的に」

なお、分詞構文の訳し方については『週末英文法』の過去記事も参考にしてください。重要事項です!


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