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週末英文法 【主語繰り上げ構文】 Oct.6.2024

みなさんこんにちは。今日は主語繰り上げ構文を取り上げます。これは四択式の文法問題だけではなく、整序問題、正誤問題、英作文等、出題頻度・使用頻度ともに高い構文ですのできちんと理解しておきましょう。

この構文で用いられる動詞はどんなものでも良いわけではありません。よく出てくる動詞には下記のようなものがあります。

<主語繰り上げ構文が可能な主な動詞>
 seem / appear 「〜のようだ」
 happen / chance 「たまたま〜する、偶然にも〜する」
 be thought 「〜だと考えられている」
 be said 「〜だと言われている」
 be likely 「〜しそうだ、〜する可能性が高い」

基本はこれらの動詞を``It + V + that SV 〜.''の形で用います。

(ex1-1) It is said that he is a famous writer.
  (彼は有名な作家だと言われている。)

このとき、that節内の主語を文の主語に繰り上げることができます。主語が失われた動詞以下は不定詞句になります。

(ex1-2) He is said to be a famous writer.
  (彼は有名な作家だと言われている。)

このような書き換えができる構文を主語繰り上げ構文と言います。この構文で重要なのは、主節とthat節の時制の扱いです。以下の4つの英文を見てください。

(ex2-1) It seems that she is rich. (彼女は金持ちのようだ。)
    $${\uparrow}$$ 主節が現在・that節も現在【同一時制】

(ex3-1) It seems that she was rich. (彼女は金持ちだったようだ。)
    $${\uparrow}$$ 主節が現在・that節が過去【時制にズレ】

(ex4-1) It seemed that she was rich. (彼女は金持ちのようだった。)
    $${\uparrow}$$ 主節が過去・that節も過去【同一時制】

(ex5-1) It seemed that she had been rich. (彼女は金持ちだったようだった。)
    $${\uparrow}$$ 主節が過去・that節は大過去【時制にズレ】

これらの英文はすべて主語を繰り上げることができますが、果たしてどのような英文になるでしょうか?ここで、準動詞の時制に関わる重要ルールを確認しておきましょう。

完了形の準動詞(不定詞・動名詞・分詞)は文の動詞よりも古い時制を表す!

上記4つの英文のうち、時制にズレが生じているものは、不定詞を完了形にすることによってそのズレを反映することができます。つまり、以下のようになります。

(ex2-2) She seems to be rich.
    $${\uparrow}$$ seemも不定詞句も同一時制で現在

(ex3-2) She seems to have been rich.
    $${\uparrow}$$ seemが現在時制なので不定詞句は過去を表す

(ex4-2) She seemed to be rich.
    $${\uparrow}$$ seemも不定詞句も同一時制で過去

(ex5-2) She seemed to have been rich.
    $${\uparrow}$$ seemが過去時制なので不定詞句は大過去を表す

このように不定詞句が用いられたときにどの時制を表しているのかを正しく把握する必要があります。

なお、細かい話ですが、不定詞句が完了時制のときに完了時制が本来持っている「経験・継続・完了・結果」の意味になることもあります。下の(ex6)は完了形が継続用法の意味で用いられています。

(ex6-1) It is thought that she has lived here for ten years.
(ex6-2) She is thought to have lived here for ten years.
  (彼女はここに10年間住んでいると考えられている。)

今後も頻繁に登場すると思いますので、注目していきましょう!

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