僕のパパが子供の頃は、
車なんてほとんどなかったってさ
車が通れば見えなくなるまで見つめていたパパは今じゃ四駆の軽トラックを乗り回してんぜ
茜色の空に飛んでるのはカラスと鉄の塊
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ どこ行った
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ 許しておくれ
茜色 赤とんぼ 帰っておいで 赤とんぼ
時代の流れは早すぎて、乗り遅れちまったら次の列車まで三時間待ち
僕が死ぬ頃には人間じゃない人間が町を歩いてるんじゃないかって
いや いよいよ人は街を歩けなくなる
冗談もほどほどに
SF映画の世界じゃあるまいし
ボタン一つ押せすだけでカレーライスが温まる 僕らの心も温まるの?
扉は勝手に開いてくれるのが当たり前なんだよ
便利な世の中になったもんだ
得たもの多すぎて 無くしたもの気づかずに
泣けてくるよ しょっぱい涙が溢れちまった
小銭は錘になって お札はふやけて破ける
使いもんにゃなりゃしねぇ
塩辛すぎてタネを蒔いても芽なんかでねぇ
泣けてくるよ それでも空には何にもなくて綺麗なもんだ
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ どこ行った
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ 許しておくれ
茜色 赤とんぼ 帰っておいで 赤とんぼ
アスファルトの切れ目から一輪の花が咲きました
次の日皆んなに優しいじいちゃんが来て
根こそぎ引っこ抜かれたゴミ袋 燃えるゴミ
俺はゴミじゃねぇ いやこの街が全部ゴミなのか
だけど土から生まれてんだ土に還らなきゃ意味がねぇ
おい聴いてんのか 俺の死に場所くらい選ばせろよ
平和なんてお前らの勝手な言い分だろ
こんな話ばっか聞いたから
僕の還る場所を探したんだ
得たもの多すぎて無くしたもの気づかずに
泣けてくるよ しょっぱい涙が溢れちまった
小銭は錘になって お札はふやけて破ける
使いもんにゃなりゃしねぇ
塩辛すぎてタネを蒔いても芽なんかでねぇ
気づいたらこんな歌ばっか歌っていた
誰も聞かない話ばっか歌ってた
もうこの辺で終わりにしたいけど
痛いだろ?胸が痛いだろ
無くしたものにようやく気付いたか
最後に一つ言っておきたい事
風のささやきと鳥のさえずりと
一緒に聞こえてくるのは飛行機の唸り声
茜色の空に飛んでるのはカラスと鉄の塊
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ どこ行った
茜色 赤とんぼ 茜色 赤とんぼ 許しておくれ
茜色 赤とんぼ 帰っておいで 赤とんぼ