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3つの支え

歌のために行きついたのは3つの支えです。

1. 腰の位置に近い背中部分

横隔膜を広げ、支えるために必要な筋肉は前面より背面に3倍集まっていると言われています。最も効率が良く、支えをキープしコントロールするためにも背筋をメインに土台を作ります。安定した歌唱、隅々まで隙のない美しい響きや統一した音色のために不可欠な支えです。

2.アンダーバストの部分(実際は身体の軸)を上に引き上げる力
1で土台を作ったら、それだけでは身動きが取れなくなるので、自由に音を動かすために、1をキープしたまま軸を上に引き上げる力を加えます。これによって伸びやかでしなやかなレガートを生み出せると考えています。この時、肩が上がらないように。最終的にはインナーユニットの部分だけで引き上げる筋力と運動能力を獲得する必要があります。

3.下腹部
2が上手くいけば下腹部は自然に引き入れられると思います。気を付けたいのはおへその周りのお腹ではなく、骨盤底筋に近い最下部のあたりです。ここを細かく使っていき、レガートの中のより細かなニュアンスを作っていきます。


大切なのは、この3つがバランスを保ち「同時に」働くか、です。どれかが足りないと、そこが足りない歌い方になります。あまりにも分かりやすくて面白いものです。そしてこれらの支えは、声を出す瞬間に作るものではもちろんなく、声を出す前に、息を吸う前に、デフォルトとしてMAXの8割は継続的に(線で)やっておきます。その上で、残りの2割を、1曲の中で数えきれない回数、しかもその場所に見合った強弱やニュアンスで変化させながら(点で)働かせるのです。そしてその点と点の間も、デフォルトまでしか戻ってはいけません。点と点の間に支えを休ませ過ぎる人が多いので、そういった場合、でこぼこが目立つ、滑らかさにかけた歌唱になることが多いです。

言葉で説明するには限界があり、最終的には信頼のおける、耳の確かな第三者にしっかりとチェックしてもらう必要があると思います。

各部分の具体的な使い方はレッスンで詳しく教えています。

これだけではもちろん歌唱は完成せず、発音、音色、響きを具体的に作る上顎エリアの使い方についてはまた改めて記事にしたいと思います。




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