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舌のはなし

舌はとにかく重要です。のどが絞まった声、つまり声道の一部である咽頭腔が狭くなって適切な空間が保てないときの主な原因のひとつに舌が挙げられます。舌の扱いがスマートに出来るようになると(あるべき場所にいられるようになると)ずいぶんと歌いやすくなります。

舌はどこにあればよいのでしょうか?普段の生活では、舌は「スポットポジション(前歯の付け根あたり、上あごの一部)」に吸着していることで、5kg近い頭を内側から支えることが出来ています。現代人の中にはこのスポットポジションに舌が置かれていない人も多いらしく、低位舌(ていいぜつ)になるといびきをかきやすくなったり、猫背や二重顎の原因になるようです。

歌を歌うときは、子音や母音を行き来するたびに舌は活発に動きます。子音を発音しているときは、その子音のためにあるべき場所にいて、母音を発音しているときは、その母音のためにあるべき場所にいるわけです。スポットポジションにいる時間はむしろわずかだと思います。

発声のHow to本に、母音を歌っているときの話だったと思いますが「舌先は下歯の裏についている」というような表現をよく目にします。この表現には少し注意が必要だと思います。

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