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「しっかり口を開けなさい」の意味

歌っているとき、スッと声が出ない原因は沢山あるのですが、そのうちの一つに「ちゃんと口が開けられない」ということが挙げられます。

私はたまに生徒さんに割り箸を左右の奥歯に1本ずつ挟んだ状態で声を出してもらうことがあります。あまり奥でなくて、箸が落ちない程度に軽く噛んでもらいます。これで劇的に声が出しやすくなる方は以下の二つの原因が考えれます。

1.奥歯が割り箸の幅すら開けられない状態で普段歌っている

2.頭蓋骨が安定しない状態で普段歌っている

1の場合は、普段歌うときに咽頭腔の適切な空間が保てていない、もしくは保てるときがあってもムラがある方です。2の場合は下顎(特に何もしない)と上顎(支え)の適切な使い方が上手く出来ず、バランスが崩れているために頭蓋骨が安定しない方です。頭蓋骨が安定しないと声はとても出しにくくなります。それを身体の別の場所を力ませて支えようとするといつまで経っても本来の理想のバランスを得ることができません。

割り箸の実験で上手くいかない方は、他の部分に大きな原因があるか、そもそも実験のやり方が間違っているかもしれません。

「しっかり口を開けなさい」の意味は、やみくもに力んで開けて何とかなるものではなく、咽頭腔の適切な空間を保つためと頭蓋骨の安定を図る2つの目的を念頭に取り組んでみると理想的な開き方、開き具合が見つかるかもしれません。

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