きく「マンダラ・トリロジー」佐藤聰明(1998)
【現代音楽(エレクトロニック・ミュージック)】
1.マンダラ(1982)
2.マントラ(1986)
3.タントラ(1990)
中村明一さんの尺八が好きなので、「日・月」というアルバムも
たまに取り出しては聴いていたのですが、
現代音楽作曲家・佐藤聰明さんを意識していたわけではないのです。
でも、「日・月」での中村明一さんは、
いつもの中村さんではなく、
作曲家・佐藤聰明さんの意図を受け取って演奏されている
中村さんだったのです。
佐藤聰明さんは、グラフィック・デザイナーの杉浦康平さんからの依頼で
見るマンダラを、聴くマンダラに変換された。
仏教音楽の声明をベースとして。
聴いていて心地良いし、改めて自分が「こういうの」を好きなんだよね、
と思いました。
佐藤聰明さんは、西洋音楽の延長としての現代音楽を独学で習得されたという紹介文になるが、純邦楽の環境下で育ったことはポイントでしょう。
日本回帰し、それを深めることが出来る。
現代音楽は、もちろん純邦楽では無いけれど、邦楽器を用いた音楽を、
武満徹さんが切り開き、佐藤聰明さんはそれを受け継がれた。
西洋音楽の耳になってしまった日本人として、
いかに日本の音楽を存立させていくか、のご苦労。
西洋もどきとなり、いにしえの日本から遠ざかってしまった自分自身の事は
聞き手としても、存在としても、強く意識すべきことでしょう。