いのる「夜へ」佐藤聰明(1992) 9 naka 2023年6月25日 19:40 1.RUIKA(1990)音楽は本質的に死の香りを含んでいる。あるいは彼岸から吹く、異界の風の響きを堪えている。私たちが音楽に深く感動するのは、音の隙間から響き渡る異界の声に身を晒すためであり、音の縁にオーラのように薄く煙る、幽冥の香りをきくからである。RUIKA プログラムノート2.夜へ(1991)世紀末という言葉はいかにも西欧的な語感のある言葉で、私は好まないのだが、しかしいま、人類は数百万年にわたる歴史を経て、幼いまま歳老いてしまい、深い黄昏の岐(ちまた)に茫然と佇んでいる、と思えてならないのだ。古代中国の聖人は「今生に度せずんば、さらに何れの生に向かって、此の身を度せんや」と語ったが、この箴言ほど今の私の魂を鋭くえぐるものはない。「夜へ」ライナーノーツ 解説ー佐藤聰明3.HOMA(1988)「ホーマ」はサンスクリット語で、浄かな火の意。漢語<護摩>は音写であり<焼施>と訳される。聖火に犠牲を供え、天の嘉納を願うからである。1988年の夏、私の祖母は数え九十歳の天寿を全うし道山に帰した。この音楽は彼女の魂を言祝ぐ鎮魂の曲。サンスクリット語のマントラによって唱われる。「夜へ」ライナーノーツ 解説ー佐藤聰明 ダウンロード copy #音楽 #佐藤聰明 #ルイカ #夜へ #ホーマ 9