一生もののカルチャー
一週間前くらい前に立ち読みした雑誌で、
クリエイター50人が、
影響を受けたカルチャーをピックアップしていた。
ただし、一生ものの。
ジャンルは、本と映画と音楽とアート。
上記の4種があると、その人の趣向を角度を変えてみれる。
こういうのを自分で考えるのも面白いので、一週間考えた。
私の場合、16~20歳ころに体験したものが、
それぞれのジャンルの、感性の基層になっていると思うので、
そういう意味では「一生もの」なんだけど、
今後もそれを体験するか、となると、ちょっと違ってくる。
もう、「余生」に片足入れた状況ではあるが、
現時点で興味を継続しているカルチャーを選んだ。
本 「花鳥風月の科学」 松岡 正剛 著
映画 「ワンダフルライフ」 是枝 裕和 監督
音楽 「The Melody at night, with you」 Kieth Jarrette(piano)
アート 「鳶鴉図」 与謝 蕪村
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松岡正剛さんが千夜千冊で紹介した本を集めているのですが、
どうしてそうなったか、松岡正剛さんへの近づき方も含め
何段階かはあるわけです。
それでも、この本あたりがきっかけで、
「よし、集めよう!」となったんじゃないかと思ってます。
十章仕立てで、
「山・道・神・風・鳥・花・仏・時・夢・月」という章題。
脚本家の林秀彦さんが、最後の著書「憎国心のすすめ 知痴民族の未来」の
最後の方で、書かれていた言葉。
もし、世界中の人が、理に行き詰まり、窒息状態にあるいま、この日本語の感覚を普遍化させることができたら、どんなに人類は救われることだろう!
「日本語の感覚の普遍化」が、
松岡正剛さんの意志として、あるのだと思っている。
(1冊目、中古品で蛍光ペンのアンダーラインが気になり、
最近、2冊目を購入。ブックオフオンラインで約500円。)
1998年の映画だが、観たのは、五年くらい前。
是枝監督の二作目だが、一作目が宮本輝さんの原作「幻の光」なので、
実質一作目と、受け取っている。
ストーリーは、
人が死んだら、
この世とあの世の「中間地点」へ行くことに。
この「中間地点」ですることは、
自分の一番大切な思い出を映像化すること。
これをしないと、あの世に行けないので、
「中間地点」の職人として居続け、
映像制作のお仕事をすることになる。
そういった内容なので、この映画を観た後に
それぞれの人が、「自分の大切な思い出とは?」を
考えることになる、と思う。
(「長く生きすぎた。」と言っていた父に、何年か前に贈ったので、
手元にDVDは無い。「(俺に)父親はいない!」と言っていた父は、
この映画を観て、何を想ったろうか?)
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1999年のアルバム。
キース・ジャレットが、慢性疲労症候群の闘病から復帰し、
奥様に捧げたプライベート的な音源かと。
私は、四人の方に、このアルバムをプレゼントした。一方的に。
会社の同僚、居酒屋のおかみさん、ご主人をなくされた会社のOG、
2020年 2月、四半世紀以上ぶりにお会いしたご夫婦に。
kieth jaretteを聴き始めたのは、1990年頃。
この1999年のアルバムは、自分では買っておらず、旧友にいただいた。
今は離れてしまったが。
1990年頃、旧友は、Kieth Jaretteを認めていなかったのだと思う。
(音楽家でもない者が、認める・認めない、も無いのだが。)
私は、周りに「ジャズではない」と言われても、
好きなものは好きなので、「好き」だと言っていた。
「Death and the flowr(生と死の幻想)」を良く聴いていた。
1999年のアルバムは、旧友も納得したのだろう。
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本、映画、音楽は選べても、
影響を受けた一生もののアーティストは、
私にとってはなかった。
でも、せっかくなので、あえて選びました。
雪降る中、寄り添う二羽の鴉の水墨画(南画)。
どうも惹かれる。鳶の水墨画とあわせて一対。
京都・出町柳にある美術館にあるようなので、
近いうちに観ておきたいと思う。
あと、観ておきたいのは、
長谷川等伯の「松林図屏風」(水墨画)。
こちらは国立博物館だったか。
東京だけど、十年以内には観ておきたい。
さいごに。
漫画 「カムイ伝」 白土三平
この漫画を、一生ものの本として選ぼうとしたけど、
ちょっと「ジャンル:本」とは違うかと感じ、
かといって「ジャンル:アート」でもないなぁ、と。
当時、「カムイ伝」「カムイ外伝」を見て、
力をもらったし、心もほぐれていった、と思う。
初めて読み通したのは、20代半ば。
今、読み返すのは、「カムイ外伝」と「カムイ伝 第二部」が多いかな。
note をされている方々は、既に今回のようなことをされているのだと思う。
気が向いたら、こちらのコメント欄にもご記載いただければ、嬉しいです。