10/15(火)ターニングポイント
6:30に起床。今日はフェリーで岡山(宇野)に行く。
急いで洗濯を回して、昨日食堂でもらったさつまいもご飯を朝ごはんに食べて、化粧をする。洗濯を干す。
リゾートバイトの先輩が、港まで車で送ってくれることになっていた。7:48、隣の部屋の扉がガラガラと開く音がした。私も外に出る。車で出発する。
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まちは今日もお祭りらしい。法被を着た人たちが、神輿の周りに集まっていた。
フェリー乗り場につき、30分ほど時間があったので海を眺める。白いフェリーに太陽の光が強く反射して、10分ほどで目がひどく疲れる。頭が痛くなってきた。
フェリーの中で昨日の日記を書こうとしたのだけど、これはダメそう。
旅において、無理をしないことや、積極的に休憩を取ることは、とても大切だ。移動中の今したいことと、現地に着いてからしたいことを比べると、後者の方が大事だった。諦めて寝ることにした。
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宇野港に着くころに、無事に体調は回復。
目星をつけていた地元の喫茶店に向かう。入った途端、中にいた数人が一斉にこちらを見る。みなが「いらっしゃい」と言う。だれがお店の人で、だれがお客さんか、判別がつかない。
本当は厚めの卵が入ったサンドイッチが食べたかったのだけど、メニューが見当たらない。常連さんらしき人が「何にする?ホットコーヒー?」と聞いてくれたので、「はい、それで」とオーダーする。郷に入れば郷に従え。変に目立つ行動は、咄嗟に避けた。
カウンターの中にいるおばあちゃんの娘さんらしき人が、「さつまいも好き?」と聞いてくれる。細長く切って揚げたらしい。
私が返事をする前に、「あんた目が大きいなぁ。目鼻立ちがしっかりしてぇ。」「本当やなぁ。」「私も昔は大きかったんだけどねぇ。年寄りは目が垂れてくるんだわぁ」など、常連さん同士で会話が始まる。聞いてて心地よい掛け合いだ。
オーダーを取ってくれた常連さんがホットコーヒーを持ってきてくれた。
さつまいもは甘くて美味しかった。
約束の時間になり、友達から電話がかかってくる。会計を済ませて、店を後にする。
「行ってきます」「行ってらっしゃい」。また来ます。
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知り合いが運営する拠点にお邪魔する。素敵な場所だった。全体的に親しみやすさを感じつつ、新しいものに出会う感覚。
4泊以上から宿泊もできるそうなので、いつか泊まりたい。
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ここに連れてきてくれた友達と、ここを案内してくれた彼女と、3人で近くで昼ご飯を食べた。
話している中で、そういえば自己紹介をしていないことに気づき、名前を伝える。フリーで働いていたり、同い年だったり、共通点が多そう。きっとまたすぐにどこかで会えると思ったし、会うたびにじわじわと、確実に、仲良くなれると思った。
生まれるべき縁はちゃんと生まれる。繋がる。続いていく。
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彼女におすすめしてもらったカフェに行き、友達とお茶をする。
クッキーが売っていて、買うか迷って辞めてしまった。買えばよかった。
彼女は推しカフェの焼き菓子とドリップコーヒーをプレゼントしてくれたのに、私からは何も渡せなかった。私はなんて気が回らないのだろう。同じようなことを、何度か繰り返している。
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話をした。
地方や都市のこと、今いるコミュニティのこと、求められことの嬉しさ、どこかで感じる後ろめたさや申し訳なさ、拠点を構える覚悟。
私たちはきっと一部同じような感覚を持っている。だけど、その解像度はまだまだ低いような気がしている。たくさん時間をかけて、じわじわと、少しずつ、これから彼女の考えやその背景を知れたら嬉しいと思う。
まだまだたくさん話そう。
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彼女は東京に戻るために席を立ち、私はカフェでもう少し休んでから岡山駅へ向かう。
忘れていた。ここは東京じゃない。電車は1時間に1本程度だった。50分ほど待ち、岡山駅へ向かう。
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彼女が教えてくれたゲストハウスに向かい、チェックインを済ませる。女性専用ドミトリー、一泊3000円。安すぎないか?
部屋につき、寝床を決めてシーツをかける。(結局休みの日もベッドメイクか、と少し思ってしまった。)チェックアウトするときは、自分でシーツを外すように言われた。たしかに、そこまでお客さんにやってもらってもいいのか。
夜ご飯は大学3年のとき留学先のセブで出会った友達と食べる約束をしていたので、歩いて向かう。
名物らしいかきおこや、ホルモンうどんをいただく。
ひたすら笑った。会うのは約2年ぶりだったので、私は結局会社員を辞めたことや、今している仕事について話す。彼女はあの時の仕事を今も続けているらしい。
フルーツタルトのお店に連れて行ってくれた。私は丸みかんタルト。彼女は普段モンブランタルトばかり食べているらしいが、今日はパンプキンタルトにしていた。フルーツタルトはなぜか食べない。
ここでも留学していた2週間を振り返り、ひたすら大笑いした。たった2週間なのに、本当に濃い時間だったのだ。
こうやって彼女と振り返るからこそ気づけたけど、私にとって、間違いなくあの留学はターニングポイントだった。世の中の「普通」から外れ始めたタイミングだった。
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全部ごちそうになり、宿まで車で送ってもらい、解散。私はどの場所に行っても、相手にお世話になりっぱなしだ。ありがとう。またね。
宿に入り、他のゲストに気を遣いながら23時に就寝。明日はモーニングからスタートする1日。楽しみだ。