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蛇行運転のキャリア

半年に1回の頻度で、まちの先輩と会っている。勝手に「定期面談」と称して、お茶をしたりランチをしたりする。

そのまちの先輩と初めてちゃんと話したのが1年前。私がこのまちで活動するきっかけになった職場を辞めた後だった。新しい仕事を紹介してくれた。ゲストハウスのアルバイトだった。とりあえずやってみることにした。オーナーも女将もとても優しく受け入れてくれた。

途中、2ヶ月ほどシフトに入れない時期があったので辞めようかと思ったけど、海外のゲストとのコミュニケーションが楽しくて、嬉しくて、なんだかんだで1年続いている。
シフトは金曜日しか入っていないけど、だからこそそのまちの人と会うと「あぁ、今日金曜日か」とほぼ必ず言われる。私はそのまちで"近くのゲストハウスで金曜日働いている子"なのだ。

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今日はまちの先輩と半年ぶりの定期面談。すき焼きランチの予定だったのだけど、なんと臨時休業。代わりに近くの大学の中にあるレストランでチキン南蛮を食べた。

私がまちで活動を始めて丸2年。まちの先輩は10年活動しているという。すごい。長い。続けようと思って続けたというよりは、気づいたら10年経っていた、という感じらしい。

私はあとどれくらい、このまちで活動を続けるだろうか。友達何人かと「今年はみんな動きが大きそうだね」と話している。それぞれがそれぞれの道へ進んでいく。旅立っていく。

旅立っていく友達には、気持ちよく「行ってきます」と言ってほしいし、いつでもいいから気軽に「ただいま」と言ってほしい。きっとこのまちの人たちは「おかえり」と言ってくれる。それくらいの度量をみながもっている。

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蛇行しながら進む。
少なくともこのまちで歩んできた2年間のキャリアについては、これで良かったと思っている。一見無駄に見える進み方でも、なんとなく方向が合っていれば、大幅に道をはみ出なければ、正しい道を歩んできたと言っていいのではないか。ガードレールの内側にさえいれば、歩行者を傷付けることもない。

そして、あと1年は、このまま蛇行しながら進んでいいのではないかと思っている。今していること(例えば若者支援や、ポップアップのサポートなど)は直接稼ぎにならないかもしれないけれど、いつかどこか予期せぬところで、実を結ぶ可能性は十分にある。
というか、むしろそんなことばかりなのかもしれないと、まちの先輩の話を聞いていて思う。

最短距離を行かなくていい。楽しいことには、蛇行するから出会えるのかもしれない。

今日すき焼きを食べられなくてもいい。美味しいものには、少しの我慢が必要かもしれない。

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