無償に何かを語りたい日
ふとした瞬間に、何かを語り合いたくなるのは
わたしだけだろうか。
特に何について、というテーマはないのだけれど、
答えのない問いについて、ずっと誰かと話していたくなる。
たとえば、
大人になるってどういうことだろう、
自分のなかの嫌な部分との向き合い方について、
運命ってほんとうにあるのだろうか、
なんのために私たちは生きるんだと思う?
といったことを取り留めもなく話したい。
お酒はあってもなくてもいい、
でも、できたらシラフでそんな話をできたらいいと思う。
亡くなった親友と、よくそんな話をしていた。
コメダ珈琲でジェリコを飲みながら、夏の暑い昼下がりから、6時間ほどずっと。
近いところに命の終わりを意識していたあの子の口からは、いつも未来の話が聞けた。
とてもキラキラした未来だった。
本当にそんな未来が実現すると、そんな未来を創ることができるような人間になろうと、そう思わせてくれた。
あの子がいなくなって、周りの友達と話すのは、思い出話と職場の愚痴、不満が多い。
周りの友達はなにも悪くない。
むしろ人間味があっていいとさえ思う。
だけど私は、あの時確かに存在した、
神様のそばにいるような、
キラキラしたあたたかくて強く優しい時間の中に、
ふと戻りたくなるのだ。